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9.巨樹は倒れるままに(7)

「待って、」
理事長の後ろから悲痛な声が上がった。全員の視線を浴びて祐子が椅子から立ち上がる。足早に理事長の前まで進み、白いメルトン生地で仕立てたロングコートを脱ぎ捨てた。

「理事長、Mの希望をかなえてください。Mは決して夢など見ない」
泣きそうな声で断言した祐子が、カシミヤのセーターを脱ぎ、ブラックジーンズを脱いで素っ裸になった。身をもってMの訴えを支持した祐子の裸身が揺れる。理事長の目の前で、剃り上げられた若い股間が震えていた。

「理事長、たまにはリラックスも必要です」
口を開き掛けたピアニストを制して、飛鳥ののんびりした声が流れた。
「お前の意見など訊いてはいない」
にべもなく応えた理事長が、じっと目をつむった。
しばらく目を閉じて荒い呼吸を続けていた理事長が、目をつむったまま背後のピアニストに命じる。
「Mをそのままの姿で天井から吊せ。好きなだけ鞭打ってやればいい」
鋭い言葉に反論もできず、ピアニストが修太に声を掛ける。

「Mの首輪と手錠を外し、両手を広げて鋸屋根の梁から吊そう」
ピアニストの声で目を開いた理事長がMに呼び掛ける。
「望み通りにしよう。しかし、Mは新しい人たちに好かれていないようだ。きっと手酷く鞭打たれるだろう。構わないのか」
「望むところです」
即座に答えたMの後ろ手から手錠が外され、首輪が取られた。すかさずピアニストが太い縄で左右の手首を縛り上げる。
「ピアニスト、足枷はどうするの」
Mの首から外した首輪を持った光男が、足枷と肛門栓で拘束されたまま中腰でいるMを見かねて口を出した。
「修太、左手を縛った縄を梁に掛けろ、僕が右手を受け持つ」
邪険に光男を追い払ったピアニストが修太に命じた。
三メートル上の梁に廻した二本の縄を、ピアニストと修太が左右に分かれて力いっぱいに引く。

素っ裸で中腰になり、バンザイをさせられたMの両腕が暴力的に引き上げられた。両手首と肩がもげるほどの苦痛が襲う。中腰になった尻が引き上げられ、足先が床を離れた。途端に肛門を激痛が見舞う。
両手を頭上に広げたMの裸身が、床から一・五メートルのところに吊り下げられた。相変わらず膝を折った姿勢のままだ。尻から延びた鎖が張り切らないよう、ぴったりと着けた両膝を曲げてバランスを保つ。

「いい気味だ。一番Mに似合ったスタイルになった」
憎々しげに言ったチハルが工場跡に続くドアに消え、長さ一メートルの鉄パイプと細い縄を持って戻って来る。
「お上品に膝を閉じたMなんか、鋸屋根工場に似合いはしない」
冷たく言ったチハルがMの背後に回り、曲げた膝の裏に鉄パイプを当てて両膝を割り開く。無理やり押し開いた両膝の裏側に鉄パイプを押し当て、麻縄で厳重に縛り付けた。
Mは両足を左右いっぱいに広げ、剥き出しの股間を大きくさらけ出したまま、膝を曲げて吊り下げられてしまった。尻の割れ目が大きく開き、足の重みで引き出された金属棒が、肛門から無惨に突き出ている。

「チハル、気が済んだ」
頭上から落ちたMの声に、チハルが憎々しく答える。
「気が済むものか、これから散々に責める」
頬を真っ赤にしたチハルが白いコートを脱ぎ、ユニホームを脱いだ。少年のように美しい裸身がMを見上げる。
「私の精悍な裸身が、醜いMの裸を責める」
修太から受け取った黒い革鞭を大きく振り上げ、小さく引き締まった尻の筋肉を躍動させてチハルが鞭を振り下ろした。
鞭先が空気を切り裂く軽い音に続いて、素肌を打ちのめす重い鞭音が鋸屋根の下に響き渡った。
バンザイをしたMの両手の下の、豊かに盛り上がった乳房の上に一筋、不気味な鞭痕が走った。白い肌にうっすらと血が滲み、声にならぬ悲鳴が食いしばった口から漏れた。膝を不自由に曲げた裸身が宙で揺れる。
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