2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

3 プリマ誕生(4)

「さあ、いくよ」と言って浣腸器を右手に掲げ、左手の指で身動きできぬまま宙に突き出されている肛門を大きく割り開き、太いガラスの嘴口を挿入する。彼がゆっくり浣腸器のピストンを押すにつれ、冷たい薬液が肛門から直腸へと滲入して来るのが分かる。「たった二百CCだよ」と彼は言ったが、なんと牛乳瓶一本分の量だ。下腹部はもう既に、ゴロゴロという音を私に伝える。肛門がこそばゆく、きゅっと括約筋を締めていても、突き刺された嘴口の間からうんちが漏れそうになってしまう。

薬液を注入し終わり、浣腸器を引き抜いた彼は、代わりに自分の右手の親指を肛門に突き立てた。肛門が引き裂かれるような激痛と、下腹部でゴロゴロとする鈍い痛みで、私はもう気も狂わんばかりだ。
「いい表情ですよ。本当に美しい。栓をしてあげましょうね」と言った彼が、苦痛に呻吟する私の目の前で見せたのは、リキュールのミニチュア瓶だ。先が細く胴の部分でくびれているが、一番太いところの直径は三センチはありそうだ。この瓶を突き立てられるのかと思うと目の前が一瞬、真っ暗になった。

予期していた激痛は襲っては来なかった。しかし、肛門から親指を引き抜く代わりに、グリグリと徐々に肛門を押し広げて暴力的に挿入される太いミニチュア瓶は、長くずきずきと痛む、永遠に続くかと思われる屈辱的な痛苦を私の全人格に与えた。
脂汗を流す私を、立ち上がってじっと見下ろしている彼は、みだらな興奮に全身を震わせ「素敵だ、素敵だ」と、繰り返しかん高いファルセットで独り言を言っている。
何が素敵なものか。素っ裸で後ろ手に縛られ、逆立ちのあぐら縛りのまま浣腸をされた後、でっかい栓を肛門にはめ込まれ、脂汗を流して呻吟している身になってみるがいい。この私の姿が、彼の撮り続けてきた芸術とどこで交差するのか、本当に私は、問い糺したいと思ったのだ。
しかし、下腹部の鈍い痛みが、引き裂かれそうな肛門の痛みを上回ったとき、下腹部に加わる圧力が肛門栓の力を越えた。
スポッと栓が飛び出す音は聞かなかったが、キリキリと張りつめた緊張の糸がぷっつりと切れた虚脱感の中で私は、肛門からあふれ出る排泄物の臭いではなく、屋外から微かに漂ってくる木犀の香りを、確かに嗅いだと思ったのだ。


失神した私が正気に戻ったのは、広く明るい浴室の中だった。室全体が新しい檜材でできていて、檜の香りが白い湯気に濃厚に混じり、むせ返るようだ。
私を戒めていた黒い麻縄は全て解かれ、横たわった身体に残る擦れた縄の痕を、彼が優しく撫でさすっていた。初めて私に見せた裸身を優雅に動かして、彼は長い時間、私の疲れ切った身体をさすり、舌を這わせた。
温泉場ほどもあろうかと思われる広い湯舟に二人、ゆったりと浸かった後、私は彼に抱かれた。


寝室の広いベッドで二時間ほど微睡んだ後、私は帰路に就いた。
もう暗くなった路面を、ロードスターのヘッドライトが舐める。ドライビングポジションを正そうとアクセルを緩め、腰をずらした途端に、お尻がシートに擦れる痛みと、肛門の裂傷が訴える激痛が私に襲い掛かった。
その痛みの中で、別れ際の彼の言葉が甦った。
「素敵でしたよ。最高です。でも、もう少しですね。ぜひ明日も来てください」
そのとき私は、彼の目をじっと見つめながら、はっきりと首を縦に振ったのだった。
そう、もう少しなのだから。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

最新記事
カレンダー
07 | 2010/08 | 09
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
free area
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR