2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

6 官能の宴(1)

「ピアニストの学校はずいぶんユニークなのね。こんな天気に、どろんこ遊びをするんだ」
のんびりしたアルトを聞いて、僕は不甲斐なく涙ぐんでしまった。雪と泥にまみれた汚れた服が、急に気に掛かった。

「さあ、早く中に入りなさい。いつまでも座り込んでいると風邪を引くわ」
「医者に掛かってきたから大丈夫です」と言って立ち上がると、目の前に訝しそうに首をかしげた笑顔があった。部屋の奥から彼女越しに流れて来る温風に、ゲランの香りが甘く混ざる。
僕は、ほのかな香りに誘われるように冷え切った身体でふらつき、二歩前に進んだ。両手を一杯に広げ、全身を彼女に投げ出すようにして倒れ掛かった。
意地悪く身を交わした彼女は、僕の右手を取って後ろに回り込み、後ろ向きの僕をきつく抱きしめる。耳の近くで息づかいが聞こえ、はるか遠くで自動ドアの閉まる機械音がした。

Mの両手が前に回り、びっしょり濡れた服の上から身体をまさぐる。冷え切っていた身体が、芯から熱くなり、瞬く間に熱が指先まで届く。僕は彼女に背中を預けたまま両手を後ろに回した。
薄い絹地越しに、温かな肌の感触が伝わって来る。そのまま両手を上げ、腰からヒップの膨らみへと向かったとき、伸ばしきった両のてのひらに尻の割れ目が生々しく触れた。僕の心臓はどきんと高鳴ったまま一瞬停止してしまったようだ。彼女は、黒い絹地の下に何も身に着けていなかったのだ。

僕は失礼にも、開いたままのてのひらで張り切ったお尻の肉をつかみ、割れ目に沿って両手できつく握り締めた。
耳の側に寄せられた、柔らかな唇から「うっ」と呻き声が、大きな音で僕の下半身に響いた。ペニスはもう、濡れたズボンを突き破りそうな勢いで、勃起していた。

「優しく、優しくしなければだめよ」
耳元で熱い息づかいとともに、猫が喉を鳴らすようなアルトが囁く。急いでお尻から手を離すと、彼女の手がベルトを外し、ファスナーを下げる。
「あっ」と、声を出してはみたが、ズボンをずり下げる彼女の手に協力して腰を振った。濡れたズボンが足首まで落ちる。パンツの上から存分に、彼女がペニスをまさぐる。

「素敵なビキニね。色はなに」
「黒です」と答えたときには情けなく、肛門から脳へと快感がマッハで走りきり、せっかくの黒いビキニの中で射精してしまった。
「そう黒いビキニか。きっと私のために穿いてきてくれたんだ。でも汚しちゃったね。全部びしょびしょなんだから、ここで脱いじゃおうよ」
射精した後も勃起したままのペニスを、精液に濡れたパンツの上から撫でながら、恐ろしいことを言う。

僕は、急に父のことが気に掛かり、身を固くした。
「あれ、どうかしたの。あんなに元気だったオチンチンが萎んでいくよ」
彼女の言葉に恥ずかしさがこみ上げ、頬に熱を感じた僕は、手を振り払うように身を翻して、Mと面と向かった。
しかし、僕は何事も格好よく行かない。足首まで降りたズボンが邪魔して手足がもつれ、彼女に支えてもらったお陰で転ばずに回転できたのだ。本当に情けなくなってしまう。
追い打ちは、待ってはくれなかった。

プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

最新記事
カレンダー
09 | 2010/10 | 11
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
free area
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR