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5 高まる期待(2)

僕は、掛かり付けの医院に寄って診察を受けてから、学校へ行くことになってしまった。
もう三年近く掛かったことのない老主治医は、相変わらずの藪医者だった。どこも悪くない僕を風邪と決め付け、僕ほどの年齢にしか見えない看護婦に命じて、お尻に注射まで打たせたのだ。
ベッドにうつ伏せになった僕のズボンを、一気に膝の辺りまで引き下げてから、看護婦が一瞬、動きを止めたのが気に掛かった。その拍子に今朝穿き替えたばかりの黒いビキニパンツが目に浮かんだ。ただのファッションだから知ったことはないと思ってみても、不自然に手の動きを止めた看護婦の気持ちを推し量ると妙に気恥ずかしくなる。

「素敵なパンツね」とでも言ってくれればいいのに、変にぎこちない指先で、お尻の割れ目が見えるほどにパンツを下ろしたのだ。ビキニの構造上仕方がないが、ほとんど剥き出しにされたお尻全体に冷たい空気を感じ、敏感なペニスが場所柄もわきまえず、むくむくと勃起してくるのだった。
僕は神経をほかのことに集中しようと、ひたすら二次式の一般開放の公式を頭に浮かべ、ペニスが落ち着くのを待った。しかし、看護婦は待ってはくれない。
飛び上がるほど痛い注射を打ち終えると、素早くパンツを上げてしまった。僕も素早く、股間を見られないように身体をねじって起き上がり、後ろを向いてズボンを上げた。ヒーターも効いていない診察室だが、もう汗びっしょりだ。

服装を整えて医師にお礼を言いに行くと、引退間近な小児科医は「顔がずいぶん赤いな。思ったより熱があるのかも知れないから、学校は休んだ方がいい」とのたもうた。
待合室にいた母に診察結果を話すと、タクシー代をくれた。生け花の会が始まるまでに時間がなく、僕を家まで送っていけないのだという。
息子の処遇に満足したらしい母は、医師と看護婦に挨拶すると、僕を置いて一人で公会堂に向かった。

健康そのものの僕と若すぎる看護婦、それに、もう引退をした方がいい小児科医が医院に残った。ほかに患者は誰一人いない。またこれからも、こんな天気の中を、わざわざ診察に出掛けて来る子供もいないように思われた。
「タクシーは三十分ほど待ってください、ですって。雨のために車が出払っているって言ってました」
待合室の椅子にぽつんと一人座っていた僕に、診察室から出て来た看護婦が言って、隣に座った。満員電車の中みたいに、すぐ近くに座られた僕は、面食らって腰をずらした。くすっと、看護婦が笑ったような気がしたが、無視して低い声で「仕事はいいんですか」と言ってみた。
「ご覧の通り患者さんはいないのよね。先生もお茶を飲みに母屋の方へ行っちゃたわ。あなた、素敵なパンツを穿いているのね」
僕は正直言って、やっぱり女は不得手だ。
「看護婦は患者のパンツの批評もするのか」と切り返せばきっと「いけない事かしら。ペニスの批評だってするわ。良かったら見せてみて」なんて答えるんだ。そのうち右手が僕の股間に伸び、言葉でいたぶられて仕方なく勃起した僕のペニスをつかみ、可愛らしい口に含もうとするんだからやってられない。

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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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