2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

3 マスターベーション(4)

「そうだったのか、彼女があの有名な悪女だったのか」とつぶやいて、また大きく溜息をついた。
当時彼女の名は、一種名指しがたいセクシーなイメージとともに悪女の代名詞として、僕たち少年の話題にも上っていた。それはもう地元のスターというより、音楽好きの僕にとっては、オペラのプリマのように遠くきらびやかな怪しい存在として、性的に身近に感じられていた。確か、性の饗宴のさなかに少女を殺し、その罪に狂った屋敷の主が自殺したはずだった。その惨劇から一人生還したプリマは、少女の死体を捨てようとした罪で裁判に掛けられ、有罪になったと語られていた。しかし、噂はそこまでだった。プリマが服役したのか、執行猶予になったのか、誰も関心がなかった。ただ、セックスの権化として、悪女のイメージだけが人々の記憶に残った。
僕は、その悪女の実物を見てしまったのだ。見るぐらいならともかく、あのセックスの達人にペニスまでつかまれてしまっている。ひょっとして、母の心配もあながち、的外れではないのかも知れなかった。

ベットに横たわったまま、ぬらぬらと精液に粘るペニスに、つい手を添えながら、僕はMのことを思った。ここでまた射精してしまうともう、今日は四回目の射精だった。しかし過去と現在を駆けめぐって、悪女の記憶が僕を異様に高ぶらせる。性懲りもなく僕は、ペニスに当てた手に力を加えた。
身も心も疲れ果てながらも、抗うことが出来ない官能に焼かれるように、ヒリヒリとするペニスを痛めつけると、父のことが頭をかすめた。

ざっと考えて二時間以上を、父と彼女はどのように過ごしたのか。Mの訴えた歯の痛みから考えて、それほどの治療時間が必要とは思えなかった。
そして、母から僕と彼女のことを、事件の記憶とともに聞いたであろう父は今、彼女のことをどう思っているのだろうか。
親密そうにMと目を見交わしていた父の顔が甦り、僕はその映像を振り払うようにペニスを苛め続け、いつになく苦しい四回目の射精を力無く両のてのひらで受けた。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

最新記事
カレンダー
09 | 2010/10 | 11
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
free area
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR