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6 官能の宴(5)

「お願いしたのはあんたでしょう。もっと真剣になりなさい。命がけの仕事なんだからね」
何が仕事なのか意味が分からないまま反射的に起き上がり、恐怖と緊張感に身を硬くしたまま、きっちりと正座して後ろ手に高く腕を交差した。
「よしっ」とMが短く言い。両手首に、ザラザラとした麻縄の感触が厳しく襲い掛かって来た。後ろ手に縛られたまま、首筋近く持ち上げられた両手首の縄尻が首に回され、結び目が作られる。胸の前で左右に分かれた縄が両の二の腕を二巻きし、胸の前で交差された。乳首を挟み込むようにして縄の菱形ができる。ウエストをきつく二巻きし、臍の下で結び目を作った後、二本の縄が股間に延びてペニスと睾丸の根元に巻き付けられた後、残った縄の中間に不思議な結び目が作られた。

「この結び目はね、私のときは違うところへも入れられたのよ。でも、ピアニストの場合は選択の余地はないわね。さあ立って、脚を広げ、お尻を後ろに突き出しなさい」
命令に従って立ち上がり、足を開くと、尻が指で左右に広げられ、麻縄で作った結び目が肛門の中に挿入された。確かに十分すぎるほどの驚きとショックが襲いはしたが、鋭く肛門をなぶる痛みの中で、僕はただ彼女の言葉だけを考えていた。

今、僕の肉体を襲ったと同じ驚愕と痛みが、かつて彼女の肉体を襲ったのだ。ざらつく麻縄の結び目は、性器に分け入り、肛門に突き立ち、きっと彼女を責め苛んだことがあるのだ。
僕はMの体験と同じ責め苦を甘受することによって、恥辱を希望に替えようとヒロイックに決心した。それが性経験の浅い僕の、父と張り合える唯一の立場だと直感的に理解したのだ。
「ピアニストは硬いわね。オチンチンの事じゃないのよ。そんなに硬く真剣に構えられると疲れるのよね。セックスは、もっと楽しく愉快なものなのよ。また説教しちゃったかな。でも、君はとても潔くって好きよ」

根元を縛られたペニスを、屈み込んだ彼女が口に含む。腰に回した手で尻の割れ目に食い込んだ縄を揺する。肛門に挿入された縄の結び目が粘膜に擦れる隠微な感触と、舌に弄ばれるペニスの快感がたまらなくなり、きつく根元を縛られているにも関わらず僕は、長く続く快感が絞り出す精液を、彼女の口腔に溢れさせた。

「すばらしく元気なのね。でも、もったいない使い方をした罪を、後で十分罰して上げるわね。正座しなさい」
僕は突き立ったままのペニスを、きつく両腿の間に挟み込んで正座した。下を向いた目に、腿の付け根から突き出したペニスの先が、一つ目小僧の顔をして僕をあざ笑っている。

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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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