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8 逆さ吊り(5)

飛び付くように、吊り下がった裸身にぴったりと張り付く。
凍り付いた鉄板に抱き付けばこんな感じになるかと思われる冷気が、素肌を突き刺す。余りの冷たさに頭が空白になり、ただ狂ったように尻の割れ目に顔を突っ込み、舌を伸ばして陰部を舐めた。
両手は高く伸ばし、左右に割り開かれた凍える両足をまさぐる。涙が止まらないほどに溢れ落ち、鼻水がしきりに流れる。股間をはい回る口に溢れた唾とともに、彼女の陰部に吸い込まれて行った。

凍り付いた、永遠に続くような時間が過ぎ、あれほど冷たかった彼女の身体が、吹きっ晒しの僕の背中に比べ、いとおしいほどに温かく感じられて来たとき、
「さあ、五分経ったぞ。Mを下ろせ」と父が叫んだ。
凍える指で木に縛り付けた縄をほどこうとするが、うまくいかない。ドジな僕より父の方が解くのが早く、彼女は片足吊りの捻れた格好でぶら下がってしまった。駆け寄って来た父に押しのけられた僕は、Mの裸身の前に屈み込み、片足吊りの不安定な裸身を両手で抱え上げた。途端に、残っていた縄を父が解き放つ。落ちて来た裸身を、僕が受け止めることになったのだ。
「ざまあみろ」と内心ほくそ笑んで、彼女を強く抱いて立ち上がった。温かな肌と冷たい肌が交互に、僕の胸から腹に感じられるのがうれしい。

僕は彼女を抱いたまま、降り積もった雪の中を慎重に歩く。
世界中の人に見せたいくらいにヒロイックだった。素っ裸の僕が、全裸で後ろ手に緊縛されたとびっきりの彼女を抱いて、雪景色の中を歩いているんだ。プリマを抱く僕がヒーローじゃあないなんて、誰にも言わさない。
おまけに彼女は、小さな声で「ありがとう」って言ったんだ。こんな過酷な状況の中でも、僕のペニスはすぐ大きく勃起した。歩く度にペニスの先に、冷たい尻が触れる。なんてすばらしい気持ちなんだろう。たまらなくなった僕は腕の力を緩め、彼女の尻がもっとペニスに触れるように、抱き方を変えた。

直立する熱いペニスを、冷たい尻が密着したまま圧迫する。
僕は、三歩歩くのが限度だった。凍り付く寒さの中で全身が痙攣した後、僕は感極まって射精した。その拍子に、慎重に歩いていた足を雪に取られ、彼女を抱いたまま後ろにひっくり返ってしまった。
「ばーか」と嘆くMの声が、雪に倒れ込む不快な感触の中で耳に残った。もちろん、僕に異論はなかった。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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