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9.狂乱家族(2)

その拍子に彼女の尻で、大きく鞭音が響いた。
黒い鞭を右手に、仁王立ちになった父が、また鞭を一閃した。ピシッと高い音を立てて鞭が尻で鳴り、腰を後ろに付き出したままの裸身が大きく左右に揺れた。
「恥知らずなことを言うと、私が許さない。誰に捨てる命を助けてもらったと思ってるんだ。淫乱な身体からびしょびしょと湯を滴らせたまま、主人に尻を突き出すなど礼儀知らずにもほどがある。また雪の中で晒されたいのか。早くご主人様の前に這いつくばって許しを乞え」
言い終わると同時にまた鞭音が響き、「ひー」と大げさな悲鳴を上げた彼女が床に這いつくばる。大げさな身振りで身体の向きを変え、ソファーに掛けた母の足元に、頭を垂れて膝で擦り寄って行く。
また大人の時間が始まるのだ。

「本当にやっていられない」と僕は、今度こそ呆れ返って声に出し、自分に言い聞かせた。このまま自動ドアを開け、部屋に帰ってしまおうとさえ思った。両親も救われないが、年寄りを構って遊んでいるMにも腹が立ってきた。
「私が悪いのです、どうぞ罰してください。尻を鞭打たれて初めて気が付きました。どうぞ罰として私に、奥様の美しい陰部を舐めさせて奉仕させてください。お願いします」
馬鹿なことを情熱的なアルトで訴えながら、素っ裸のMは跪いたまま母の股間に首を押し入れていく。隣で介添えをする父までが屈み込み、身動きしない母のスカートをめくり上げ、ストッキングと一緒にショーツを脱がせる。

されるがままの母は、いったいどうしてしまったのだろうか。あれほど冷静な母にしても、性の誘いは逃れがたいものなのだろうか。それともMに見せた過酷な仕打ちを悔やんでいるのだろうか。
僕はせわしなく、今日起きたことを思い返そうとした。

恐らく母は、僕の病気を気遣い、早めに帰宅した途端に三人の痴態を見る羽目になったのだ。父と子が繰り広げる浅ましく異常な饗宴を主催するMを見て、母は常軌を逸した興奮状態に陥ったのだ。突然の激しい怒りにまかせ、雪の中に彼女を逆さ吊りにしてしまったに違いない。しかし、やはり異常としか言えない第二幕を主催することになってしまった母は、舞台の登場人物にならざるを得ない黙契を、雪の中で全員と結んでしまう事になったのだ。その筋書きを作ったのはMと父で、多分僕はお人好しにも、上手く利用されてしまったにすぎないようだった。
底の見えた台本に乗せられてしまった僕は、まったくやっていられないと思うのだが、既にキャステングされた登場人物だし、何よりもプリマの彼女を見続けていたいがために、さもしい未練を抱いて仕方なく蔵屋敷に残った。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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