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2 オートバイ(7)

窓辺が西日で赤くなるまで、バイクと天田は黙ったままそれぞれの勉強を続けた。
「ウー」と、わざとぞんざいな声を出して伸びをした天田が、そのまま床に寝ころんだ。顔だけバイクに向けて話し掛ける。
「チェ、映子の奴、お茶も入れに来ない。でも、これで良かったんだ。なあ、バイク。俺はお前に映子を取られるわけにはいかないんだ。お前は特待生で高等部に来ただけだから分からないだろうけれど、中等部からずっと一緒の俺たちは、お互いのことをみんな知ってるんだ。生意気な映子がジジイ教師にパンツを下ろされ、剥き出しの小さな白い尻を折檻されるところも見ている。一番前の席に座っていた俺は、教壇に手を付いて屈み込まされた、映子の裸の尻の割れ目も、足を大きく開かされてぴくぴくと動いていた肛門も、ミミズ腫れになった鞭の痕もよっく覚えているんだ。あいつが十二歳の時のことだ。だから今更、お前ごときに映子を取られるわけにはいかないんだよ」

「わざわざ俺に話すことじゃない。俺は勉強中なんだ」
広げたノートに目を落としたまま答えたが、耳から入った映子の姿がバイクの身体の奥で熱く燃え上がった。微分方程式を解いていたはずの脳が、剥き出しの尻を掲げたまま振り返った映子の顔を映像化する。じっと歯を食いしばって、不条理な鞭打ちに耐える映子の表情が美しかった。股間が熱くなり、むくむくとペニスが勃起してきた。

「最後の鞭が映子の尻の割れ目を狙ったんだ。あいつは強情だから、それまで泣き声も出さなかった。ジジイ教師も頭に来たんだろう。固くつぼめられた肛門に大きな音を立てて鞭が振り下ろされた。ヒーと尾を引いた映子の悲鳴を、俺は今も覚えている。鞭打たれた瞬間、つぼめられた肛門が開いた。ほんの少しだったけど便を漏らしたんだ。見ていた俺はどきっとして、パンツの中で射精してしまった。便は黄金色に美しく見えた。恥ずかしさに真っ赤になって震える小さな尻が素敵だった。なあ、バイク、羨ましいだろう。俺はますます映子が好きになった。お前とは付き合い方が違うんだよ。俺が見ていたことを、映子はもちろん覚えているはずだ」
「そんな話は聞きたくない。幼かったときのことだ。映子が可哀想だろう」
「幼くはないさ。中学一年の夏のことだ。まだ五年しか経っていない」
「五年も前のことだ。天田、お前は暇すぎるんだ。進歩がない。五年前の話なんか俺は興味がない。今の映子にしか関心はないね」

「そーか、」と言って天田は意地悪く言葉を呑んだ。バイクの股間で固く突き立った熱いペニスが、五年前の話しの続きをせがんでいる。

「なあ、バイク。お前は何でバイクって呼ばれてるんだ」
話題を上手に変えた天田に、バイクは乗せられてしまった。ノートを閉じて寝そべった天田へと向きを変えた。
「俺がオートバイ好きだから、みんなそう呼ぶんだ」
「それで、いつ免許を取るんだ。もう今年は取れるはずだよな」
東大受験のことばかり頭にあったバイクは、一瞬呆気にとられてしまった。
「免許は大学を卒業したら取るよ」
「そして、免許を取ったらオートバイを買って、後ろに映子を乗せるのか」
「そうだ、文句はないだろう」
天田の口元がうれしそうに歪んだ。
「文句はないさ。精々いい夢を見ていればいい。夢は夢だからな。誰も邪魔はしない」
「何を言いたいんだ」
「別に言うことはない。俺と棲む世界が違う奴で安心したのさ。言って置くが、俺は今晩映子をものにするぞ。邪魔はさせない。先手必勝だからな。お前は長い長い先の、見果てぬ夢を見ていればいい」

「なぜ俺に、そんな宣言をするんだ」
「ただの仁義さ。先手必勝だと言ったろう。日も落ちたことだし、まあ、今晩の前祝いに一杯やれよ」
起き上がった天田が鞄を開け、ウイスキーのミニボトルを取り出す。慣れた手付きで二つのグラスに注ぎ分けてバイクに手渡す。
現実離れした天田の話と、脳裏に浮かぶ映子の姿態に困惑したバイクが、グラスを取った。一息に飲み干す天田を横目にして、グラスに口を付けた。酒を飲むのは始めてではなかったが、ストレートのウイスキーは強烈に舌を刺し、喉に咽せた。テーブルに置いてあった温くなったコーラを注ぐ。天田が上手にウイスキーを注ぎ足した。
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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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