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2 オートバイ(9)

暴走族の仲間に入った中学時代の同級生に、河原で乗せてもらった車体とは格段の差だった。運転に慣れるに従ってしっくりと体に合ってくる。
街に向けて五分ほど走ったところでバイクは、渓谷を越える橋を渡って対岸の間道に出た。うねうねと続くワインディング・ロードを、二速から五速までのギアを一杯に使って切り抜けて行く。生まれて始めての爽快感が全身を包み込んだ。やはり、したいことはすぐすべきだ。この一点で天田は正しかったと思った。事後の処理は事後に飽きるほど考えられる。バイクは急に、身も心も倍以上に成長したような気がした。

運転に慣れたところでまた渓谷を渡り、ピアニストの家に続く道に乗り入れる。わざとギアを落とし、回転を上げたエンジン音を轟かせながら蔵屋敷の前に乗り付ける。案の定、爆音を聞きつけた三人が外に出て出迎えていた。真っ先に上気した映子の顔が目に飛び込む。目を丸くしている天田の身体が、やけに小さく見えた。ピアニストだけが、遠くを見るような目で眺めている。
三人の目の前でゼロターンを決め、車体を道路の方に向けた。駆け付けた三人がバイクを取り囲む。

「素敵ね、バイク。やっぱりオートバイがよく似合うわ。運転も上手」
「街まで行って借りてきたんだ。勉強ばかりじゃつまらないからね。何といっても二十四時間、寝ないで過ごすんだから刺激も必要だ」
オートバイに跨ったまま胸を張ってバイクが言った。天田の得意な台詞のような気がして、気恥ずかしさもあったが、まず、したいことをすることが先決だった。上気した映子の顔が、十分すぎる満足感を与える。
「夕食前にちょっと、ライディングに連れてって。一度でいいから乗ってみたかったんだ」

「映子、よせよ。バイクは免許を持っていない。お前が被るヘルメットもない」
強い口調で天田が止めた。その口調に映子が反発する。
「こんな山の中で取り締まりなんてないわ。ちょっと出掛けるだけだからヘルメットなんか要らない」
「映子の次に、僕を乗せてくれないか」
ピアニストの一言で決まってしまった。

スカートのままシートの後ろに跨った映子がバイクの腹に両手を回し、耳元で「最高」と甘い声を出した。
思い切りアクセルを開いて急発進する。バイクの臍の上で握られた映子の両手に力が入り「キャー」という歓声が流れ去った。
渓谷沿いの夜道をヘッドライトを上げて疾走する。大小のカーブを小刻みにギアを入れ替えて、流れるようなスピードを維持したままクリアーして行く。背中にぴったりと張り付いた映子の胸の荒い鼓動がエンジン音にだぶり、いやが上にバイクの全身を熱く燃え立たせる。

二十分ほど走ると、スピードに慣れた映子は、オートバイの傾斜に身体を合わせられるようになった。二人が一体となり、カーブへの突っ込みもリズミカルに決まる。背中をくすぐる乳房の感触がたまらず、バイクのペニスはズボンの中で猛々しく勃起してくる。乗り始めた頃の緊張が解けた映子の両手が、何気なくバイクの股間に触った。勃起したペニスの感触に驚き、手の動きを止める。しかし、野蛮なまでに猛り立って疾走するオートバイの鼓動が、映子に大胆な行動をとらせた。

映子は左手でバイクの腹を抱えたまま、右手をバイクの股間に伸ばした。ズボンのジッパーを摘んで下に降ろす。パンツの中で勃起しているペニスを引き出し、右手で握って外に直立させた。熱く燃える亀頭を凄まじい風圧が心地よくなぶる。
車体の振動で、握られたペニスがしごかれ、暴発寸前まで官能が高まる。もう死んだっていいと思ったとき、ヘッドライトが急カーブの標識を照らしだした。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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