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4.虜囚(4)

「規則だから肛門栓を装着する。排便時間は毎朝七時から三十分間。その間しか栓は外さない。規則正しい生活のため我慢しなさい」
極月が宣告し、長さ十センチメートルの金属棒を持って、高く掲げられた尻の後ろに屈んだ。棒の太さは親指ほどもある。

「覚悟はできています。挿入してください」
答えた弥生が窮屈そうに両足を開き、尻の割れ目を一層高く掲げて下腹の力を抜いた。尻に当てられた金属棒の冷たい感触が肌に鳥肌を立たせる。極月が金属棒の先を肛門に割り入れ、指先に力を入れた。ウッという呻きが弥生の口を突く。ピンクの粘膜の奥に深々と金属棒が挿入された。棒の根元のビー玉ほどの突起だけが尻の外に残されている。極月が丸い突起に小さな鍵を入れて回すと、肛門の奥で金属棒が漏斗状に膨れ上がった。漏斗の底辺は五センチメートルもある。決して抜き去ることはできない。ピアニストの指示で冶金工学科の信者が開発した恐ろしい装具だった。形状記憶合金で造った金属棒が僅かな電流の刺激で四倍に膨らむのだ。鍵を入れてスイッチを切らない限り形状が変わることはない。弥生の下腹部を屈辱感が襲う。たまらない恥辱が肛門を刺激し続ける。
「懲罰のスケジュールは落ち着いてから決める。今夜は就寝の指示があるまで反省のポーズでいなさい」
「はい」
情けない格好で弥生が答えた。仕事を終えてピアニストたちの輪に戻っていく極月の気配を背中に感じながら、弥生は二か月続く反省に耐えられるだろうかと不安になった。だが信仰への飽くことのない精進だけが、きっと懲罰を乗り越えさせてくれると思い直す。弥生は恥ずかしさを我慢して剥き出しの尻を高々と宙に掲げた。


ピアニストを中心にして、修太、睦月、如月、卯月、極月の六人の幹部が北側の奥で輪になって小さな声で話し合っている。弥生は入口ドアの横の壁に向かい、素っ裸の尻を晒して反省のポーズを続けていた。オシショウも輪から離れて南側の椅子に陣取り、相変わらず居眠りをしている。

突然「キャッ」という女の短い悲鳴と、人の揉み合う音が外のベランダから聞こえてきた。ピアニストの周囲が殺気立ち、睦月が素早くランタンを消した。全員が次の物音に備えて聞き耳を立てる。静けさの中で、ベランダに通じるドアの開く音が大きく響いた。

「俺だ、霜月だ」
廊下から押し殺した声が呼び掛けた。部屋中にホッとした空気が流れ、睦月が再びランタンを灯した。明るさの戻った会議室のドアが大きく開かれ、後ろ手にされたMが霜月に突き立てられて入ってきた。

「Mっ」
ピアニストと修太が同時にあきれ返った声を上げた。
「何だ、二人の知り合いなのか。俺が山伝いでやってきて崖から二階のベランダを見渡すと、ちょうどこの部屋の西側に潜んでいたんだ。チェックを入れてよかったよ。もっと見張りを厳重にした方がいい。武器は運んできた。これからは戦争だぜ」
兵器担当の霜月が野太い声で言って、レスラーのような手でMを会議室の中央に突き出す。Mの足元が危なくふらつく。すぐ体勢を立て直し、部屋の奥に集まっているメンバーの顔を見渡した。後ろ手にかけられた手錠が大きな音を立てる。

「ピアニストも修太も、オシショウもいるわね。みんな死なずに済んだのね。弥生が見えないけど、全員揃っていて安心したわ。さあ一緒に警察に行きましょう。もう足掻いたって無駄よ。二人も死んでいるんだから覚悟を決めなさい」
Mの鋭い声が部屋中に満ちた。
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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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