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11 通洞坑-2-(5)

「まったく嫌な女だねえ。あたしの性器がそんなに面白いかい。それならあたしと同じようにしてやるよ」
屈み込んだカンナが両手で水をすくい、頭から浴びせかけた。冷たい水が頭から背に流れ、Mは身震いした。何回も何回もカンナは水を浴びせる。
ぐっしょりと濡れた長い髪の房をカンナが左手に持ち、右手のナイフで根元からすっぱりと切り捨てた。
Mの目の前で艶やかな髪の房が、幾筋も流水に乗って流れて行った。
「やっとショートになったね。暑苦しくなくていいよ」
楽しそうに笑ってあざけるカンナの前のMは悲惨だった。海老責めに悶える裸身の背を被っていた長い髪はすべて切られていた。もはや、米軍の海兵隊員ほどに切り詰めた髪が、不揃いに頭部を被っているだけだった。
「仕上げをしてやるよ」
言い残してナイフをジレットに持ち替えたカンナが、乱暴にMの頭皮に剃刀を当てる。ジョリジョリと耳を打つ恐ろしい音が連続し、見る間に頭髪が剃り上げられていく。おまけに両の眉まで、あっさり剃り落としたのだ。

「ほら見てご覧、あたしと同じになれて光栄だろう」
カンナが剃り上がった頭にランタンを近付ける。揺れる水面に見ず知らずの他人の顔が映っている。
「随分血が吹き出したが、水で流せばいい。時間が経てばいずれ生え揃うんだ。あたしのように抗ガン剤で禿げ山になったんじゃないからね。でもね、あたしがその恥ずかしい姿のまま、お前をあの世に送ってやるよ」
見上げたカンナの口元に、陰惨な笑いが浮かんでいる。たまらない悲しみがMの身体を突き抜けていった。

「私もあなたも恥ずかしい姿でないわ。十分に美しい」
苦しみをこらえたMの声が響き渡った。
「へー。元気なもんだね。口先だけは達者なんだ。そんな恥ずかしい格好を晒して、良く美しいなんて言えたもんだ」
「どんな姿になったとしても。たとえ虐殺されたとしても。独りで生き抜こうとした女は美しいのよ。だから、当然あなたも美しいわ」
「いちいちしゃくに触ることを言うね。そんなに私が美しいなら、お前の股間も同じようにしてやる。海老責めを解いてやるから、お願いしてみな。できるかい」
意地悪く吐き捨てたカンナを見上げ、Mが静かな口調で言った。
「いいわ。カンナさんお願い。私の股間のむだ毛を剃り取ってきれいにしてください」
「ふん、思い通りにしてやるよ、自分で足を大きく開き、剃りやすいようにできなかったら、その場で殺すよ」
カンナはMを海老責めにした縄を切り、ナイフを水中に入れて胡座に縛った縄も断ち切った。
「さあ、早くしな」
カンナに急かされて、Mは痺れきった足でよろめきながら立ち上がった。このまま横に倒れてしまいたいと思う。

Mはカンナの正面に直立し、開けるだけ大きく足を開き、股間を突き出した。
「さあ、きれいに剃り取ってちょうだい」
黙ったまま、新しいジレットを手にしたカンナが、そのまま股間を剃り始めた。よじれた陰毛が剃刀の刃にかかり、飛び上がるほどの痛みを与える。しかしMは、カンナの手の動きに合わせて腰を振って股間をしっかりと突き出す。
「恥ずかしい性器がすっかり顔を出したよ。さあ後ろを向きな。尻の毛も剃り落としてやる」
言われるままに後ろを向いて腰を曲げた。突き出した尻の割れ目に剃刀が走る。
「尻の回りの毛は薄いんだね」
馬鹿にしたようなカンナの声が響く。
「さあ、すっかり丸出しになったよ。恥ずかしくて目も当てられないよ」
「恥ずかしくはないわ。あなたも私もこんなに美しいのに、なぜ気が付こうとしないの」
尻を掲げたまま叫んだMの全身にまた、悲しみが込み上げてくる。頬を流れる涙が止まらなくなる。こらえていても固く閉じた口の端から嗚咽が洩れ始める。

「うるさい。恥ずかしい尻を思い知らさせてやる」
カンナはベレッタM92Fを右手に握り、剥き出しの尻目掛けて発射した。鋭い発射ガスの音とともに直径5ミリの硬質プラスチックの玉が、滑らかな尻に食い込む。激しい痛みにMは悲鳴を上げた。
続けて十五発の玉がMの尻を襲った。針で刺されるような鋭い痛みではないが、太い錐で突かれるような激甚な痛みが尻全体を襲った。
「今度は、その臭い股間の番だよ」
マガジンを入れ替えたカンナが、今度は広げきった股間を狙ってきた。十五発の玉が肛門に食い込み、性器を打ち、肉襞の奥に入っていった。叫びに似た悲鳴がMの口を突いた。
しかしMは、襲って来る弾丸を避けようともしない。従容として全弾を、剥き出しの尻と開かれた股間で受けた。

「ざまを見ろ。尻があばただらけになった。醜い尻だ。これでもまだ恥ずかしくないか」
止めどもなく涙が流れた。それでもMは諦めきれずに大声で叫ぶ。
「私は美しい。あなたと同じように美しいんだ。なぜまだ分からない」
「畜生。殺してやる」
陰惨な声で叫んだカンナがベレッタを池に投げ捨てた。産廃屋の所まで飛んで行って、黒いバックからトカレフを取り出す。

「カンナっ」と大声で制止する産廃屋の声を「ズガーンッ」という、けたたましい銃声がかき消してしまった。
Mの尻の先を熱いものが掠め去り、耳を圧する銃声と岩で跳ね返る不気味な跳弾の音が錯綜した。

「カンナさんの腕も落ちたもんだ。今度は絶対、外しっこないようにしてやる」
トカレフを持ったままMに迫ったカンナは、銃身を無理やり股間に押し付けた。肉襞に触れた焼けた銃口が鋭い痛みを頭のてっぺんまで伝える。股間に添えた左指で粘膜を押し広げ、カンナは無理やり銃身を挿入する。身体の奥深くまで入り込んだ邪悪な鉄の塊を意識したとき、カンナの手が放れトカレフの重量がそのまま股間に残された。
急に咳き込んだカンナがしゃがみ込み、頻りに嘔吐している。全身の痛みに耐えようとする呻きが殷々と坑内に響き渡った。

振り返ってカンナの様子を見ようと、上体を起こしたMの股間からトカレフが滑り落ちた。
銃把から池に落ちたトカレフが岩に当たって暴発し、凄まじい爆発音とともに第二弾を放った。
銃弾はカンナの異変に驚いて立ち上がり、駆け寄ろうとした産廃屋の腹に命中した。
「ウー」と呻いて身体を折った産廃屋の下腹部から血が滲み出す。
身体を折って吐き続けていたカンナは地面に横になり、転げ回りながら全身の痛みと戦っている。

一瞬にして、修羅の第三幕が始まったのだ。
池の中に全裸で、後ろ手に緊縛されたまま立ち尽くすMの目から間断無く涙が流れた。頭髪を剃られ、眉を落とされ、股間を剃り上げられた裸身が全身で嗚咽している。

池の向かいの狭い坑道の闇の中で、うずくまった祐子が、涙を流しながらその一部始終を見ていた。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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