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9.強盗団(6)

「ピアニストはトイレに起きたんじゃなかったの」
「弥生を待っていただけさ」
テラスの前の闇の中で二人の小さな声が響いた。ピアニストと弥生は並んで立っている。二つの肩がちょうど同じ高さにある。弥生の肩先が微かに震えた。ぽっと赤くなっていく頬を月の光が照らしだした。うれしさを照れくささが追う。間近にあるピアニストの横顔を痛いほど意識した。もう一度言わせたいと思った。

「ピアニストの見張り時間はMの後よね。時間を間違えたのかも知れないわね」
闇に埋もれた広場を見つめたまま、意地悪な言葉が口を突いた。言ってからうろたえた弥生の頬が、また熱く火照った。
「そう、Mと交替する。でも弥生が先だ」
はっきりとした答えが聞こえ、冷たい指先にピアニストの手が触れた。伝わる温もりが全身にスパークしたときには手を握られていた。もう片方の手が肩に回され、きつく身体を抱き締められた。首筋に熱い息がかかる。がっしりした胸に抱かれた両乳房がピアニストの動きに伴ってしなやかに形を変えていく。徐々に乳首が固くなっていくのが分かる。張り詰めた緊張の隙間を心地よさが這う。ピアニストの舌がうなじから耳の下へと何度も行き来した。固く構えていた弥生の身体が少しずつ柔らかくなる。身体の奥で小さな火が点った。うなじに埋めたピアニストの顔が離れ、燃える目で弥生を見つめた。弥生の視界にはピアニストの瞳しか映らない。弥生の瞳も燃えている。すかさずピアニストが口を奪った。きつく閉ざした唇を舌が這う。弥生がそっと口を開けると長い舌が侵入してきた。縮めた舌を探しだし上手に舌を絡ませる。甘い香りが口中に満ちた。突然下腹に固いしこりが触れた。ぎょっとして腰を引くと、すぐにピアニストが引き戻す。胸の鼓動が高まり全身が熱く火照った。はち切れるほど勃起したペニスが下腹をなぶる。股間が熱く火照ってきてリングで閉ざした陰門が濡れた。前に垂らした両手で、弥生は思い切ってペニスを握った。トレーナーの厚手の生地をとおして、屹立した硬い肉の柱が力強く脈打っているのが分かる。ピアニストの喜びを両手で実感したと思った。急に頭の中が真っ白になる。たまらなく素肌が恋しかった。トレーナーの中に両手を差し込み、熱く燃えるペニスを直接握った。猛々しい肉の柱が手の中にある。ピアニストを手中にしたとの思いが湧いた。込み上げてきた喜びに性器が疼き、陰門に愛液が溢れた。

弥生の背中に回わされていたピアニストの両手が腰に下りた。引き締まったウエストをまさぐってからトレーナーを一気に膝まで脱がす。白い尻が剥き出しになり月の光に輝く。続いて上着も脱がす。女の匂いが闇に流れ、上気した裸身が揺らめいている。ピアニストは弥生の前にひざまずき、何度も何度も股間を舐めた。二枚の陰唇を繋いだリングがもどかしくてならない。指先でリングの繋ぎ目を捜し出し、力を入れて輪を外す。微かな呻きが耳を打った。そっとリングを抜き取って闇に投げた。ピアニストもトレーナーを脱ぎ去る。美しい二つの裸身が月の光の中で抱き合い、もつれ合った。しばらくの間、激しく素肌を合わせあっていた二人が誘い合うようにテラスに上がった。手を取り合った二つの裸身が優美に舞い、選ばれた肉体を誇示するかのように官能の舞台に上がる。

弥生は冷え切ったテラスの床に横たわった。冷気が背と尻を襲うが気にならない。かえって火照った裸身が気持ちよいくらいだ。心持ち両膝を立て、股間を大きく開いてピアニストを迎える。逞しい裸身が弥生の裸身を覆った。リングの外れた陰門を、猛々しく勃起したペニスが意地悪くなぶる。両の乳房がもみしごかれ、舌が吸われた。ピアニストの愛撫は執拗に繰り返される。じれったさと官能の高まりに弥生は身悶えする。押し殺した喘ぎが絶え間なく口から洩れた。弥生は両手を股間に伸ばし、陰部をなぶるペニスをつかんだ。べっとりと愛液で濡れた肉の棒が抗って手をすり抜け、肛門を狙う。ヒッと悲鳴を上げ、首を左右に振って目を開いた。闇の中で笑ったピアニストの白い歯が見えたような気がした。ペニスの狙いが変わり、ピアニストが腰に体重をかけた。陰門を割って巨大なペニスが体内に入ってきた。弥生がきつく目を閉じる。ピアニストが慎重に腰を使った。下半身を占有したペニスが複雑に運動する。高く低く、喜びの呻きと喘ぎが口をついた。何回となく官能が高まり、極まりに向けて駆け上がる。その度にピアニストが意地悪く腰を引いて弥生をかわす。弥生の腰も官能を追って淫らに動く。裸の尻が悩ましく床を這った。

「ウゥー」
長く尾を引いた呻きが口から漏れ、弥生の裸身が弓なりになった。初めて知った官能の喜びだった。ゆっくり潮が引いていくような高まりの名残を楽しみながら、弥生は目を開いた。松の梢越しに妙に青白い月が輝いている。視界の隅に、開け放された屋根裏部屋の窓が見えた。人影がたたずみ、見下ろしている。

「Mっ」
弥生は声に出さずに叫び、見下ろすMの視線を全身で受け止めた。引いていく官能が寄せ帰す波のように再び高まる。

「Mっ」
もう一度心の中で叫び、弥生は二度目の高まりを迎えた。月の光を浴びたMの顔が微笑んでいるように見えた。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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