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8.終焉(1)

夢を見ているのは分かっていた。それも怖い夢だ。Mの身体が規則的に揺れている。不安定で心細い気持ちがますます募っていった。夢の中のMはやっと幼児になりかけたばかりで、まだおむつも取れていない。腰の回りが不自然に膨らみ、濡れた布が不快だった。尻の下はブランコの硬い木の板で、両手は太い鎖を硬く握り締めている。大きく、大きくブランコが揺れる。揺れに応じて幼いMの不安は高まる。小さな足の下に地面はない。宙に浮かんだブランコがM一人を乗せて揺れ続けている。早く降りたかったが、一人では降りることができない。ブランコに乗せてくれた大人を捜して辺りを見回す。まるで雑踏のように人たちが行き交っている。たたずんで見つめている顔もたくさん見えた。だが、捜している顔がないと思ったとき、突然戸惑いを感じた。頬が真っ赤になり、泣きべそになったのが分かった。捜している顔がなかったのではなく、捜す顔がなかったのだ。急いで母と父を呼ぼうとしたが、二人の顔も思い浮かばない。焦りが全身に込み上げ、背筋を恐怖が貫いていった。太い鎖を握った両手がブルブルと震え、涙が流れた。身体を震わせながら、声を立てずに泣きじゃくった。ブランコは揺れ続け、恐怖が全身を占める。冷たく濡れていた尻が急に温かくなった。心の底に温かさが伝わっていくような気がする。その小さな希望に縋り付くようにして、幼いMは長々と失禁した。

Mは慌てて股間に手を伸ばした。手に触れた陰毛は湿り気を帯びていたが、失禁はしていなかった。僅かに覚醒した意識が見た、嫌な夢が断片的に甦ってくる。性夢のようなときめきを感じた。これまでに何回となく見てきた夢だった。今もなお、私はブランコから降りられないでいるのだと、告げられたような気がする。孤絶した悲しみを感じた。下半身が寒い。夜明け前の寒さが室に忍び込み、毛布からはみ出た剥き出しの尻を撫で回している。大きく身震いして、狭いダブルベッドで裸身を縮めた。無性に温かさが欲しかった。縮めていた両手足をおずおずと伸ばす。名淵の裸身に手足が触れた。温かな素肌の感触が胸の奥まで沁み入ってくる。がっしりした裸身を全身で絡め取った。狂おしく素肌を擦り付けると、小さな声で名淵が呻いた。セクシーなバリトンの呻きだ。喉元まで懐かしさが込み上げてくる。前に回した手で股間を探った。量感のあるペニスを手の中に包んで撫でさする。

「もう少しだよ。まだ眠らせてくれ」
寝ぼけた声が聞こえた。手の中のペニスが硬くなってくる。Mは毛布の中に潜り込み、勃起しかけたペニスを口に含んだ。まだ弾力のある肉を舌でなぶる。口中一杯に膨らんでくるペニスが愛おしい。このまま射精させて精液を呑み込みたいと思った。ブランコから降りる必要はない。素っ裸の名淵を後ろ手に縛り上げ、絶頂を極めるまで鞭打ってやりたくなった。


進太は土蔵の厚い扉をそっと開いた。白い光が目にまぶしい。飛び込んできた外気が冷たく頬を刺した。思わず後ろを振り返る。清美の裸身がブルッと震えた。清美は素っ裸で後ろ手に縛られている。膝上で足を縛った縄と首縄の間を別の縄で短く連結されている。上体を前屈させて尻を突き出した惨めな格好だ。足首が縛られていないので、ヨチヨチ歩きで歩くことはできた。しかし、後ろ手から延びた縄が裸身を無情に天井から吊り下げている。かろうじて身体の向きを変えられるだけだ。うつむいていた顔を上げ、恨めしそうに進太を見上げた。縄の猿轡が哀れさを誘う。口中には黒いレースのTバックショーツが含ませてあった。あまりの口うるささに閉口した進太が、口封じのために噛ませたものだ。

「素っ裸では、やはり寒いか。キヨミ先生が風邪を引くと僕も困る。一晩でずいぶん素直になったから、立ち縛りは許してやろうか」
進太が独り言をいって清美の前に戻った。素肌に鳥肌が立ち、前屈した裸身が微かに震えている。猿轡を噛ました口が動き、見上げる目に哀願の色が見えた。寒さを訴えているに違いなかった。ドーム館にゲレンデヴァーゲンを返して、土蔵に戻ってくるまでの時間は四十分ぐらいだ。蔵屋敷に寄ってバイクや食料などを取りそろえても、一時間あれば戻れる。そのくらいの時間なら、清美を吊っておかなくても安全なような気がした。バケツを跨がせて放尿させてからは、さすがに清美もおとなしくなっていた。威嚇の鞭打ちも効果があったはずだ。

「監禁の原則には違反するけど、戻るまでおとなしくしていると先生が誓うなら、吊り縄を解いて座り縛りで柱に繋ぐことにしますよ。毛布も掛けて上げる。さあ、どうしますか。誓えますか」
進太の問いに、清美がうれしそうに首を振って応えた。
「よし、後ろを向きなさい」
命じられたとおりに、清美は膝上を縛られた不自由な身体で向きを変えた。進太の目の前に裸の尻が突き出された。白い双臀に五本の赤黒い鞭痕が残っている。そのうちの一つは尻の割れ目に食い込み、肛門の端を赤く腫れさせていた。昨夜の興奮が甦る。尻の後ろに屈み込み、伸ばした舌で肛門を舐めた。くぐもった悲鳴が上がり、白い尻が大きく揺れた。ジーンズの中でペニスが勃起してくる。進太は卑猥な笑いを浮かべて立ち上がり、清美を天井から吊り下げた縄を解いた。首と足を連結した縄も解き去る。前屈した裸身がうれしそうに伸び上がった。
「さあ、柱の前に座ってください」
進太が命じると、素直に清美が従う。縄尻を柱に結わえ付けてから、裸身を毛布で覆った。これで清美も暖かくしていられると思うと気が軽くなった。土蔵の扉を大きく開け放して外気を入れる。母屋の屋根に遮られて日は射し込まないが、霜に覆われた枯れ草さえ生き生きとして見えた。進太は慎重に扉を閉めてからゲレンデヴァーゲンの運転席に座った。時刻は午前七時だった。日の出から三十分が経過していた。
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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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