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3.拉致(4)

「ビジネスは終わりだ。ひざまづけ」
冷酷な声で大男が命じた。チハルの膝が真っ先に崩れる。冷えたコンクリートの床に無様に剥き出しの尻をついた。ボギーがよろよろと膝を折りながら、祈るように訴える声が耳に響く。
「殺さないでくれ、お願いだ、金は後で届けるから、殺さないでくれ」
「もっと大きく口を開いて頼むんだな」
ボギーの訴えに大男が無慈悲に答えた。大きく開けたボギーの口にコルトパイソンの銃口を突っ込む。
「頼む」
喉の奥で声にならぬ悲壮な言葉が発せられた途端、銃声が轟いた。ボギーの後頭部が瞬時に吹き飛ぶ。チハルの裸身が返り血を浴び、白い胸に赤黒い斑点ができた。恐怖のあまり失禁した股間が温かく濡れる。見開いた目で一心に大男を見上げた。

「こ・ろ・さ・な・い・で」
激しく身悶えして、忘れていた言葉を思い出すように哀願した。

「女は殺しやしねえ。楽しむもんだ」
大男の答えで全身の力が抜けた。ほうけたように宙を見上げた目の前に巨大なペニスが差し出された。チハルは口を開き、醜悪なペニスを口に含んだ。後ろ手に縛られた不自由な身体で正座して、膝立ちになって舌を使った。ぐんにゃりとしていた肉の塊がゆっくり硬くなり、亀頭をもたげて勃起し始める。チハルの口は巨大なペニスではち切れんばかりだ。歯を立てないことだけに神経を集中して尊大にスライドするペニスを吸い続けた。

「這え」
ペニスが引き抜かれると同時に頭上から声が落ちた。チハルは縛られた無理な姿勢で床に這いつくばって尻を掲げる。乱暴に股間を蹂躙したペニスがすぐ引き抜かれた。
「こんなもんを填めやがって、変態女め」
憎々しい声が響き、太い指先が股間に吊したリングを摘む。陰部に激痛が走り、視界が真っ赤に染まった。引き裂かれた陰唇から血が滴り、生暖かい血の感触が太股を流れていく。荒々しく体内に挿入されたペニスの動きが、かろうじてチハルを失神から救った。巨大なペニスはチハルの下半身を占有し尽くし、いつ果てるともない往復運動を続けた。もはや痛みも屈辱も、憎しみさえ遠ざかってしまった。男の肉に反応する女の肉でしかなくなった身体が、三度目の絶頂を極めたとき大男が射精した。長く多量に放出される精液を体内に受けながら、チハルの裸身は細かく震え続けた。やっと大男が身を離すと、待ち兼ねたように貧相な男がペニスを挿入してきた。遠慮がちで下手なセックスが歯がゆいくらいだ。這いつくばったチハルの頭上に大男の笑い声が落ちた。去っていく足音が聞こえる。やがてエンジン音が響き渡った、貧相な男の身体がこわばり、射精したと思った瞬間ペニスが抜き去られた。ズボンを引き上げながら駆け去る後ろ姿が見えた。大男に取り残されると思ったらしい。タイヤのきしむ音が響き、ハーフトラックのヘッドライトの光が闇に流れた。尻を高く掲げたまま、プールサイドで這いつくばったチハルの全身から一気に緊張が去った。殺されずに済んだのだ。大きく溜息をつき、後ろ手に縛られた裸身を横たえる。横顔になった目にボギーの死体が映った。無惨に吹き飛ばされた後頭部が恨めしさを語っている。チハルの胸にもボギーの血が飛び散っている。たとえ命が助かったとはいえ、ボギーを殺した大男のセックスに三度も反応した自分が情けなくなる。官能の極まりを見せたことで、命拾いをしたと思うと全身が恥辱に染まった。チハルは全身の痛みに耐えて立ち上がった。改めてボギーの死体を見下ろすと、涙がこぼれた。これまで忘れていた涙だった。激しく裸身をおののかせ、声の限りに号泣すると全身に悲しさと怒りが満ちた。圧倒的な涙が悲しみを流し去る。怒りだけが全身に満ちた。チハルは後ろ手に縛られたまま走り出し、泣きながらプールを下りた。真っ直ぐ自分の車に向かう。

プールから十メートル離れたアメリカハナミズキの花の下に、銀色のゲレンデヴァーゲンが駐車してある。五百台だけ限定で生産された五リッターV8エンジンを積んだ装甲車のような車だ。ハイテクゲーム機を愛用するカジノのオーナーが無理矢理貸してくれたものだった。チハルはフロントバンパーの前で後ろ向きにひざまづいた。後ろ手を縛った針金の間にバンパーの突起を入れて縄目を切ろうとした。細い針金が手首に食い込み素肌が裂けた。鋭い痛みと血が流れる感触がしたと同時に、針金が切れた。痺れきった両手を大きく回しながら運転席にいき、刺したままのキーを取ってリアゲートを開けた。貨物室に置いた黒革の銃ケースを素早く開ける。黒光りするレミントンM1100を取り上げ、その場で七発の実包を装填した。運転席に戻ってエンジンをかけると同時に発進する。目的地はダウンタウンのいかがわしいバーだ。銃を持たなかったボギーと違い、チハルは武装している。暴力も厭いはしない。必ず二人を撃ち殺してやると心に決めた。重いアクセルを踏む素足に力を入れた途端に陰部が痛んだ。外灯の光に照らされた股間を見ると、精液で汚れきった陰部で、引き裂かれた陰唇から出血していた。白いレザーのシートに赤い血が滲んだ。
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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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