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3.それぞれの夜(6)

ピアニストの家の、蔵屋敷と呼ばれる離れの窓から明かりが洩れている。
どっしりとした土蔵の白壁に穿たれた二つの高窓は、山地の闇に輝く獣の目のように見える。
蔵屋敷の広々とした檜材の床の上に、スタンドライトの光を浴びた光男の裸身が白々と浮かび上がっている。光男は顔を横にして床に着け、両足を広げて膝立ちになり、尻を高く掲げている。素っ裸だった。

掲げた尻の割れ目に、中腰になったピアニストが迫る。
「痛いよ。ピアニスト、痛い」
不自由な姿勢で首を曲げ、ピアニストを振り返って光男が訴える。しょぼつかせた両目から涙がこぼれ落ちた。
哀訴を無視して、ピアニストは光男の双臀を割開く。目の下で、無惨に押し広げられた貧相な尻が震えている。赤く充血した肛門を割って、怒張したペニスの先が侵入しようとしている。
ピアニストが腰を入れてペニスを突き出すと、すっと亀頭が肛門の中に呑み込まれた。
「ヒッー」
かん高い叫びが光男の口を突き、高い天井に吸い込まれていった。
ピアニストのペニスの先を呑み込んだまま、光男の尻が驚愕と痛みに震える。小さな尻が震える度に、刺激的な快楽がピアニストの亀頭から脳へと駆け上がっていった。しかしピアニストは、まだ光男を解放する気はない。鎮痛剤入りのマッサージクリームを丹念に塗り込んだ尻が、それほどの痛みを感じるはずがないと思う。光男の神経がオーバーに反応しているにすぎないのだ。

「もう許してよ。お願い。気が狂いそうだ」
後ろ手に縛られた両手を握り締め、尻を振って光男の哀願は続く。
哀れな願いを聞こうともせず、ピアニストは無造作に腰を突き出し、ペニスの根元まで肛門に埋めた。
巨大な暴力が肛門の深部から全身を襲う。光男は口を開き、力を抜いて、尻に加えられた暴力が去るのを待った。肛門が裂ける恐怖で、全身に鳥肌が立つ。しかし、暴力は去るどころか、もっと理不尽に光男を陵辱し始める。
ピアニストが腰を使い、大胆にペニスを動かし始めたのだ。
巨大な存在が肛門をスライドする度に、隠微な快感と恐怖が光男の下半身を往復した。

やるせない快感は、ペニスの先から光男の官能をくすぐり続ける。今にも爆発しそうなペニスが、耐え難い恥辱を伝える。だが、ペニスを襲った暴力もまた、立ち去ってくれない。下半身に集中した神経の果てで、モーターの低い唸りが聞こえ続けている。唸りは、光男のペニスから響いてくる。高々と勃起したペニスに取り付けられたバイブレーターが、光男の意志に関係なく性感を刺激し続けている。太い亀頭に密着させて、バイブレーターは包帯で縛り付けられていた。

ピアニストがバイブレーターのリモコンを片手で操作した。
ペニスを突き上げる振動が急激に強まる。尻に挿入されたペニスも乱暴にうごめき、光男の頭の中は強いられた官能で真っ白になる。
ピアニストは鋭角的な刺激でペニスを締め付ける肛門を見下ろしながら、冷静に腰を使った。取り立てて鮮烈な官能は感じなかったが、落ち着いて見ていられることに、医師としての満足を感じた。
別に光男でなくてもよい。独りでも構いはしない。ただ、久しぶりに病院で会ったMが、他者との性を思い出させただけだと、ピアニストは思う。

「迷惑な話だ」
声に出して言って、ピアニストは光男の肛門から半分ほどはみ出たペニスを見下ろした。次いで、光男の状態をじっと見守る。もう少しで射精するはずだと思った。光男の尻も自発的に、淫らに動き始めている。恥辱も痛みも、官能の極まりを止める術はない。もうすぐ射精だ。

「ウッー」
大きく呻いて背中を弓なりにした光男の股間から、白い液体が飛んだ。
長い時間を掛けて射精を続ける光男の一部始終を見届けてから、ピアニストは肛門の中でゆっくりと射精した。

「迷惑な話だ」
再び低くつぶやいたピアニストの脳裏にまた、アカンベイをしている八年前のMの顔が浮かんだ。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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