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5.遠すぎる少年時代(2)

「修太、こっちを向きなさい」
怒りを含んだ声で背に呼び掛けると、チーフが慌てて間に入ってきた。
「M、修太は起きたばかりで頭が回らないのよ。早く隣に座って。すぐマティニを作るわ」
大人げないと思い直したMは、鏡に映る修太の顔を優しく見下ろしながらスツールに座った。しかし、ビールの入ったグラスに手を伸ばす仕草と、今起きたばかりというチーフの言葉が妙に気になってしまう。鉱山の町の子供たちは皆、Mに保護者の役割を強いるようだ。

Mは小さく溜息をついた。視線を鏡の中の修太から、シェーカーを振るチーフに移す。
しなやかに振られるチーフの両手首に、鮮やかな縄目の痕を見付けた。半袖シャツを着ているため隠しようもない。Mの脳裏を不安がよぎる。
見過ごすわけにいかなかった。

「チーフ。手首の縄痕はどうしたの。またS・Mショーに出演したの。まさか、修太が相手じゃないでしょうね」
厳しく問い詰めるMの声に、シェーカーを振る手が一瞬止まった。白い頬が見る間に赤く染まる。しかし、答えは隣に座る修太の口から出る。
「俺がチーフを縛ったんだ。素っ裸にして後ろ手に縛り上げ、一晩中責めてやった。お陰で、今やっと起きたところさ」
唖然として言葉を失ったMの前に、チーフがおずおずとグラスを出し、マティニを注いだ。オリーブを添えてから、とんでも無いことを口にする。
「修太の話では、鉱山の町にいたときのMも、毎晩縛られていたそうよ。代わりになってくれとせがむから、Mの代わりなら喜んですると答えたの」
「チーフ。修太はまだ子供でしょう。話を真に受けてもらっては困るわ」
疲れ果てた声がMの口を突いて出た。容赦なく修太が追い打ちを掛ける。
「俺はもう子供じゃない。六年前の子供の時だって、素っ裸で後ろ手に縛られたMの尻が、喜んで震えているのを見た。今さら格好付けても遅いよ。ひくひく動いている肛門を、物差しの先で突っついたことだってあったんだ。だから、チーフの尻も責めた。Mも喜んだと言ってやったさ」

顔全体を羞恥で赤く染めたチーフが、修太の露骨な言葉に続けて恥ずかしげも無く解説を始める。
「修太はお尻が大好きなの。全体が腫れ上がるまで、まんべんなく鞭で打たれたわ。それから舌で飽きるほど舐め回すの。挙げ句の果てに、柔らかくなった肛門をペニスで犯されたわ。私だって初めてのことよ。M、素っ裸で後ろ手に縛られ、お尻を高く掲げさせられた恥ずかしい格好で、肛門を犯されたことってある。修太はお尻の穴の中で射精したのよ。可愛いほど小さなペニスだったから耐えられたけど、普通の大きさだったら肛門が裂けてしまったかも知れないわ」

興奮して訴えるチーフの言葉で、修太の顔が真っ赤になった。怒りに満ちた顔が、やがて蒼白になる。小さなペニスと言われたことが耐えられないのだ。敏感に修太の気持ちを感じ取ったチーフが、狼狽して言葉を続ける。
「修太は小さいけど、身体もペニスもバランスがいいの。美しいほどのプロポーションよ。全体に小振りなだけで、日本人向きよね」
たちまち修太の顔が憎悪に歪む。コンプレックスを大きく増幅させているのだ。有り余るエネルギーが性をねじ曲げ、憎悪となって噴出していく。修太の能力の高さを知っているだけに、Mには悲惨だった。

「M、祐子の家に案内してくれないか。チーフは嫌だと言うんだ」
目をつむったまま、疲労感だけが募る話に耳を傾けていたMに、怒った声で修太が言った。目を開いて見た鏡の中で、修太の真剣な顔が訴えかけてくる。
「まさか祐子にも、チーフのようにしたいと言うんじゃないでしょうね」
「俺は祐子が好きだった」
Mの問いにポツンと修太が答え、また口をつぐんだ。目の前のビールを一口すすってから、決断するようにうなずいて話し始める。
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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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