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5.遠すぎる少年時代(4)

祐子の美しい裸身を理事長に披露したくなる気持ちを、チハルは必死の思いで押さえてきた。ただ、テキスタイルデザイナーになるという、祐子の志望だけは告げてあった。世界に向かって発信したいという、祐子の夢をかなえたかった。織物から夢を引き継いだコスモス事業団の理事長の応援は、きっと得られるだろうとチハルは確信する。理事長の夢は新しい文化の創造なのだ。そしてチハルも、祐子と共に新しい創造の道を進むつもりだった。

全身に込み上げてきた夢の高まりを両手に込めて、チハルは祐子の両腿を押し開いた。しっとりと濡れて息づく股間に顔を埋める。舌先を丸めて祐子の陰部から肛門にかけて、丹念に責めた。祐子の息遣いが高まり、チハルの顔を挟んだ太股と尻が微妙に収縮する。チハルは両手を祐子の胸に伸ばし、指先で乳首をなぶった。祐子の喘ぎが部屋中に満ちる。

このごろの祐子は人形のようだと、無防備な裸身を責めながらチハルは思った。これといった意志を持たず、チハルにすべてを任せている。それがチハルにはうれしかった。いつまでもこうしていたいと思う。Mなどに邪魔されてたまるかと痛烈に思った。
祐子ばかりではなく、理事長にまで取り入ったMが益々憎くなる。チハルは一切の感情を込めて、鋭敏に反応する祐子の裸身を責めに責めた。
祐子の喘ぎが呻きに変わり、長く尾を引くようになった時、突然インターホンのチャイムが鳴った。

反射的に祐子の両足が固く閉じられ、呻きがやむ。
三回目のチャイムの音を確かめてからチハルが立ち上がり、受話器を取った。
スピーカー越しに高い調子のMの声が響く。

「祐子、Mよ。開けてくれる」
「祐子はいない」
チハルが反射的に答えて受話器を置いた。
Mの声を聞いて立ち上がった祐子が、受話器に飛び付く。横に立ったチハルの裸身が怒りに震える。

「あなたはチハルでしょう。祐子と代わって」
スピーカーから、またMの声が響いた。
「代わったわ、祐子よ。M、ちょっと待って、着替えてからドアを開ける」
返事を待たずに受話器を置いた祐子が、チハルを振り返って声を震わせて訴える。
「お願い、服を着させて。Mが来たのよ。チハルも早く服を着て」
そのまま自分の部屋に入ろうとする祐子の前に、祐子より背は低いが、精悍な裸身が仁王立ちになる。
「ダメッ、Mを入れるなら、二人ともこの姿で迎える」
「Mがびっくりするわ」
「そんな女じゃない。さあ行くよ」
チハルは祐子の右手を掴み、裸身を引きずるようにして玄関に向かう。壁面のスイッチに素早く手を伸ばし、部屋中の照明を点灯させた。すかさず左手を祐子の脇の下に潜らせ、乳房の下をきつく抱え込んだ。もう祐子はチハルの強烈な意志から逃げることはできない。そのまま玄関口まで引き出されてしまった。

「うるさい女め、今開けてやるよ」
大声で叫んだチハルが錠とドアチェーンを外し、大きくドアを手前に引いた。
ドアから二歩退いてMを待つ二人の裸身を、外から侵入した冷気がしたたかに打った。剥き出しの素肌に鳥肌が立つ。
「寒いから、早く入りな」
チハルが言うと同時に、ジーンズの上にツイードのジャケットを着た小柄な男が玄関に立った。

「祐子、」
予期せぬ男の出現に凍り付いた二人の裸身に、修太が確認するように呼び掛けた。
「修太ね、」
チハルに胸を抱かれた祐子の口から、懐かしさと戸惑いに満ちた声が漏れた。
「団欒を邪魔したようね」
修太の後ろから玄関に入ってきたMが、冷ややかな声で言った。
「どうする、修太。帰る」
Mの声に答えもせず、修太はじっと祐子の裸身に見入っている。
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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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