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6.ドーム館の黄昏(6)

「私はM。理事長が自宅で激痛に見舞われました。身体を海老のように折り曲げて苦しんでいます。口元から血を流している他は、外見上の異常はありません。すぐ来てください」
「分かったM。幸い僕は自宅にいる。十五分後には必ず着く。セキュリテー装置を外して、玄関を開けておいてくれ。僕は勝手に家に入るから、Mは理事長の側にいてくれ。舌を噛まないことにだけ気を配ってもらいたい」
そのまま電話が切られた。再びパソコンのキーを押すと、緊急ファックスの自動送信システムが画面上に現れる。画面の指示通りマウスでスタートボタンをクリックすると、十人ほどの連絡先名簿が現れ、自動的にファックスの送信が始まる。席を離れようとすると、画面にチハルの名が浮かび上がった。二つある電話番号のうちの一つは祐子の家の番号だった。
画面を流れていく通信文に、Mは目を通す。


理事長よりチハルへ緊急指示
直ちに鋸屋根工場に向かへ。当座の準備だけを遺漏なく整えて私を待て。信頼できる者なら、助勢を頼んでも構わぬ。とにかく冷静に急げ。時間は残されていない。


理事長らしい、簡単すぎるほどの文面だった。夜道を鋸屋根工場に向かうチハルのエネルギッシュな姿が見えるような気がした。祐子も一緒かも知れない。Mは思わず笑い出しそうになる。

デスクを離れるときに、パソコンの横のセキュリテーパネルで玄関の錠を開け、警報を切った。これでピアニストは自由に入ってこられる。
理事長は、Mが離れたときと同じ姿のまま裸身を折り曲げて呻いていた。耳元にひざまづいて、緊急連絡が済んだことを大声で伝えたが返事はない。襲い掛かる苦痛を、目をつむって必死に耐えている。時折苦しさに口を開け、またきつく閉じ合わす。ピアニストの言った、舌を噛む恐れが胸元を掠めた。

Mは理事長の頬を強く叩き、痛みで目を開かせた。理事長の頭を背にして身体をまたぎ、よく股間が見えるように中腰になる。
「理事長、お願い。私の股間を舐め、乳房を揉んでください」
歯を食いしばって苦しそうにうなずく理事長の顔に股間を埋め、手を取って乳房を握らせた。痛みに耐える理事長の爪が乳房に食い込み、大きく開いた口が荒々しく陰部を這う。探り当てた性器を口に含み、震える舌先でなぶりだす。鼻から苦痛を訴える息が荒い。Mは身体を曲げ、顔を理事長の股間に埋めた。萎みきったペニスを口に含み、一心に舌で舐め回す。Mのリズムと、理事長のリズムが合うと、萎んでいたペニスが膨らんでくる。襲い掛かる苦痛の波を縫って、理事長の官能も高まっていく。
激痛から逃れ出ようと、理事長は性の細道を一心に走る。痛みと官能に身を焦がし、痩せた太股で力いっぱいMの頭を締め付ける。Mも理事長に応え、豊かな尻を前後左右に激しく振った。射精を間近にした喘ぎが、苦痛を訴える鼻息に混ざる。だが、理事長の射精を許すわけにはいかない。官能が極まった果てには激痛しか残されていないのだ。自らの舌を噛み切る恐れは十分にあった。Mはペニスをなぶる舌先を、微妙に調整した。


「ナースが戻って来たのかと思ったよ」
ドアの方から声が響いた。
ペニスを口に含んだまま見上げた目に、あきれ顔で佇んでいるピアニストが映った。後ろに修太を従わせている。修太の目に蔑みの色を見たとMは思った。口から勃起したペニスがこぼれ、亀頭の先から白濁した精液が、力無く滲み出た。

素早く二人の横に屈み込んだピアニストが、Mの乳房を握りしめた理事長の手を取って床に伸ばし、二の腕を黒いゴムバンドで止めた。明るい照明を浴びて浮き上がった静脈に慎重に注射針を刺し、僅かな薬液を注射した。途端にMの裸身の下で理事長の身体が弛緩し、穏やかな呼吸が戻る。恐ろしいほどの薬の威力だ。
「M、もう退いてくれていいよ。理事長は一時間ほど眠る。この場でいいから、ゆったりとしたものを着せ、毛布を掛けてやってくれ」
後ろ向きになったMに、ピアニストが声を掛けた。突き出された尻が卑猥に揺れている。
ピアニストの視線を痛いほど感じてMは立ち上がった。ぼろぼろに疲れ切った裸身を直立させ、明るすぎる照明の下にさらけ出した。
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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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