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3 陶芸屋(4)

新年、明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。




無理やり陽子を縛ったのは五年前、彼女が家を出る数日前の夜だった。
それまで何度も陶芸屋は、妻に縛らせてくれるように頼んだものだった。自分でもあきれるほどに仲睦まじい夫婦だったが、身体を縛らせることだけは、頑として陽子は拒絶していた。
普通のセックスなら、あられもない姿態を見せる陽子が、なぜ縛られることを、それほどまでに嫌うのか不思議で仕方なかった。
しかし、拒絶されればされるほど、陶芸屋の思いは益々強くなるばかりだった。そのころはまだ陶芸も思うにまかせず、その日暮らしのような生活に、嫌気が増すばかりだった。収入のすべてを看護婦をしていた陽子が賄っていたのだ。

まだ道筋さえ見い出せない陶芸の代わりに、彼が自らの自信を見い出せるのは、お互いに優しく寄り添える陽子だけだった。その愛する陽子を縛ってみたい。
縛り上げられた美しい陽子の姿が妄想となって、日夜浮かび上がって来るようになっていた。
その夜、いつものように激しく燃え合った後、陶芸屋は素っ裸のまま横たわる陽子を残して作業場へ行き、用意しておいた麻縄を手にして戻った。

「ちょっと話があるんだ」
布団の上に素っ裸のまま座って話しかける陶芸屋を訝しく見上げた陽子も、起き上がって前に座った。
「お願いだから縛らせてくれ」
手を突いて、頭を下げて頼んでいた。
「何を言い出すかと思えば。嫌ですよ。絶対に嫌だと言っているのに、どうしてそんな嫌がらせをするんですか」
「美しい陽子を縛ってみたいだけだよ。そばにいることを実感したいだけなんだ」
「いつだって私はあなたのそばにいるでしょう。縛り付けておかなければ安心できないんですか。そんなに私が信用できないのですか」
興奮気味に全裸の陽子が抗議した。その、ひたむきさを見るにつけ、陶芸屋の欲望は抑えきれないまでに膨らんでいった。この一途さを縛り上げて、俺の全身の中に入れてしまいたい、そう思った。
「頼む」
一言いって、陽子をうつ伏せに押し倒した。尻の上にまたがって両手を背中で交差させる。用意した麻縄で手首を乱暴に縛る。抗いながら激しく動く陽子の尻が肛門に触れ、陶芸屋の官能を否応もなく高める。

うつ伏したまま後ろ手に縛られた陽子の口から「イヤヨッ」と言うかん高い悲鳴が何度となく発せられた。
隣の部屋からは、幼い修太の泣き声も聞こえてきた。
どぎまぎした陶芸屋は、後ろ手に縛った陽子を乱暴に引き起こす。悲鳴を上げる口に、脱ぎ捨ててあったパンツを丸めて押し込んでしまった。鼻から荒い息を吐き続ける陽子の縄尻を引き絞り、胸に回して乳房の上下を二巻きした。

すっかり緊縛された陽子は急におとなしくなる。横座りになった膝の乱れも気に掛けず、放心したように目をつむったまま、力無くうつむくばかりだった。
スタンドのほのかな明かりに照らし出された、素っ裸で縛られた陽子の姿は美しく、まるで清冽な白磁の花器のようだった。

想像力の中で陽子と一体となった感覚に支配された陶芸屋は、現実を確認したい一心で陽子を押し倒し、猛り立ったペニスを無理に押し入れ、二回に渡って射精した。

静まり返った部屋に、隣室から聞こえる修太の泣き声が響き渡っていた。
縄目を解き「済まなかった」と言う陶芸屋に返事もせず、背を向けて横たわった陽子は、その後一言も口をきかず、数日後に家を出た。

離婚届と短い手紙が陶芸屋の元に届けられたのは、一週間後のことだった。「嫌がる私に、あなたは義父と同じ仕打ちをしました。黙っていた私がいけなかったのでしょうが、察することのできないあなたも同罪です。まさか、あの憎らしい義父が私にしたことを、愛するあなたにまでされるとは思いませんでした。憎みます。私の息子をどうぞ、立派に育ててください。逃げ出した私に子育ての資格はありません」

涙が限りなく陶芸屋の頬を伝ったが、彼の脳裏に浮かぶ陽子の姿は、素っ裸で後ろ手に緊縛されてうつむく、華麗な白磁のような裸身だった。


「どうぞ、あなたの好きなように罰してください」
目の前にうずくまるMがまた言った。
「本当にいいのか」
当惑して、陽子の姿を追い払った陶芸屋の問いに、Mは涼しい声で答えた。
「はい、それが私の望みですから」

身体全体を舐め尽くす熱い炎に焼かれた陶芸屋の、どもった声が部屋中を圧した。
「M、這いつくばって、尻を高く、高く突き出せ」
「はい」と一声答えたMは、膝でにじって身体の向きを変え、高々と交差させて縛られた後ろ手と尻を陶芸屋の目に晒した。
両の膝でバランスを取って双臀を上げ、ゆっくりうつむいていき、頭で床を支える。
陶芸屋の目の下に、股間を黒い二条の麻縄で縦に割られた美しい尻が姿を現す。

「股縄を解いてもいいか」
「すべて、あなたの思い通りに」
こんな事があって良いのだろうかと思いつつ、陶芸屋は屈み込んで股間に手を伸ばした。裸身を縦に割った縄を解くと、大きく割り開かれた股間の深奥で蠢く肉襞と、ヒクヒクと収縮するピンクの肛門が見えた。

これでいいのかと、また陶芸屋は思ったが、覚めた意識はそこまでだった。
壁に掛けた鯨尺の厚い竹の物差しを手に取り、高く掲げた尻を打ち据えた。
「ヒー」と口を突く悲鳴に頓着せず、立て続けに三発、剥き出しの尻を打った。白い滑らかな尻に四条、真っ赤なミミズ腫れが走る。
「口を、口を」と訴えるMに、興奮に任せたまま「猿轡は要らぬ」と応える陶芸屋。もはや、アトリエは官能の作業所だった。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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