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3 陶芸屋(5)

Mは、高く掲げた尻を手酷く叩く竹の鞭に悲鳴を上げ、赤く腫れ上がった双臀を悩ましく振り立てて陶芸屋を挑発する。
鞭打ちの合間に、上目遣いに見た奥のドアの隙間に人影があった。こっそりとのぞく修太の姿が見えた。
汗ばんだ裸身の深奥から響き渡る官能の嵐の音を聴きながら、Mは修太の視線をそっと追っていた。
また、私のステージが始まる。Mはそう確信した。


冷え切ったアトリエの空気を、窓から差し込む早春の日が明るく照らし出した。
部屋の中央に、毛布を被った二つの裸身が横たわっている。Mと陶芸屋の官能の火は夜明けまで燃え上がり、堪能した二人は床の上で寝入ってしまっていた。

深い眠りの中で、突然尻を襲った鋭い痛みでMは目を覚ます。
窓から射す朝の光が目にまぶしい。すぐ目を閉じ、肌寒さを感じて手探りで毛布を探すが、無い。裸のまま丸くなって床に寝ているのだ。

また、尻に痛みが走り、ピシッという鋭い音が耳に響いた。唐突に鞭打たれたことに戸惑い、まぶしさに耐えて目を開け周囲を見回す。
鯨尺の物差しを振りかぶった修太の姿が、視界の隅にあった。

Mは起き上がって修太の前に立った。
物差しを投げ出し、二、三歩後ずさった修太が憎しみに燃える瞳でMを睨んでいる。左の頬に昨晩Mに張られた手形の痕が残っていた。
「復讐しようというわけ。寝込みを襲うなんて、君もなかなかやるわね。確信犯って事ね」

「なぜ、朝までいるんだ」
青いニットのタートルネックの上で、修太のへの字に閉じた口が開き、怒りに満ちた低い声で言った。
頭から毛布を被って床で寝ている陶芸屋を、横目で睨んだ。まだ十二歳に成るか成らないかの、子供の素振りとは思えない憎悪に満ちた態度だった。
「君が見ていたとおりのことを一晩中お父さんとしていたのよ。それで、朝になってしまったの」
修太の頬が見る間に赤く染まった。

「お母さんのために、私に腹を立てているの」
「違う」
「自分のためなの」
修太の小さな頭が、こっくりとうなずく。
「お父さんと私がしていたこと、君は嫌い」
今度は小さく首を振った。
「好きなのかな」
「俺たちのクラスには、祐子しか女がいないからできないけど」と言って、また頬を赤く染めた。遊びはみんな性的なものなのだから、昨夜の官能に子供の修太が興味を持つのは当たり前だとMは思う。

「すると。頬を張られたことが気に入らないんだ」
「本気で打ったろう。俺はまだ子供だ。子供を苛める大人は最低だ」
「ひどく打ったことは認めるわ。ごめんなさい」
見る間に修太の顔に笑顔が戻る。プライドが高すぎる子供なのだ。悪いことではないとMは思った。

「俺にもお前を打たせろ」笑顔を引き締めて修太が言った。
「私の頬を張りたいというの」
「いや、さっきと同じで尻でいい。打たせれば許してやる。打たせなければ二度と許しはしない。お前が好きな方を選べ」
「いいわ。打って。それから、私はM。お前ではないわ」
言い終わったMが修太に背を向け、四つんばいになって尻を掲げた。
ビシッ。物差しの鞭が剥き出しの尻で鳴った。
「ヒッ」と短い悲鳴を上げる。続けて襲う打撃に備えて肛門をつぼめ、尻全体で緊張する。しかし、次の鞭打ちは襲ってこなかった。

「もういいの」と尻を掲げたまま問う。
「もういい。Mの尻は真っ赤に腫れていてかわいそうだ。俺、学校に行く」
ランドセルを背負った修太が玄関で靴を履き、振り返って「行って参ります」と言って外に飛び出した。

「行ってらっしゃい」
素っ裸で四つんばいになって言うには馴染まない言葉だと、声に出してからMは思った。口元に微笑が浮かぶ。
楽しく暮らせそうな予感がした。立って行って引き戸を開ける。
火照った素肌を冷たい朝の空気がなぶった。荒涼とした山塊がすぐ目の前に立ち塞がっている。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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