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7 分校(2)

「センセイ、祐子がまだ来ないんだけど」
級長を命じてある修太が、当惑した顔で呼びに来た。
時計を見ると、あと二分で始業の時間だった。子供たちには常に、五分前の集合を命じてある。
「終業式に遅刻するようでは困りますね。光男さんは来てるの」
「祐子は自分勝手なんだ。光男は来てるよ」
修太の言葉に満足そうにうなずく。そう、祐子は身勝手なのだ。周囲の人たちの気持ちも考えず、自分自身を閉ざしている。これが自分勝手でなければ、何が自分勝手なのかと思う。

「一緒に教室に行きましょう」と言って手をつないでやると、修太の熱い動悸が指先に伝わってくる。かわいい。
一礼して机が三つしかない教室に入り、教壇に備え付けた始業のベルを鳴らす。たとえ子供が三人しかいなくても、きちんと時間のけじめは着けるべきだと思い、町に設置させたベルだった。

元気な声で朝の挨拶を交わし合った後、自分自身どうでもいいと思う終業の講話を始める。話の途中で教室の後ろの戸が開き、うつむいた姿勢で、黙ったまま祐子が入って来た。
「祐子さん。遅刻よ。そこで立っていなさい」
大声で叱って、話の続きをする。
助役からの電話を切ったときから続いていた、もやもやした気分は幾分内輪になっていた。しかし、視線を交わそうともしない祐子の態度が悪びれているように見えて、今度はしゃくにさわった。

十分ほど立たせておいてから席に着かせ、通知票を配ることにする。
教壇の前に三つ並んだ席は、級長の修太を真ん中に、窓際に祐子、廊下側に光男の順で並んでいた。
一人一人名前を呼んで通知票を渡す。テストの成績は一番悪いが、通知票では修太を一番にしてある。何といっても小学校では学習態度が大事なのだ。それにまだ六年の一学期の成績だ。中学へ送る資料は二学期の成績で十分だった。

三人しかいない教室でも、通知票を受け取った子供の反応は三十人の学級と大差はない。先ず細く開いてさっと目を通す。思ったほど落ちていない成績に安心すると、大胆に広げ、しばし見つめる。そのうち人の成績が気になりだし、比べてみたくなる。修太が机の上に自分の通知票を置いたまま、左右をそっと見回した。さっと手を伸ばし、祐子の手から通知票を取り上げる。
ぱっと目を通してから「なんだ、俺より悪いじゃないか」と言って笑った。
立ち上がって、祐子の目の前で通知票をひらひらさせる。それを見て油断した光男の手からも、素早く通知票を奪った。
「あれ、お前、俺より算数ができるんじゃない。生意気なやつだ」
気の弱い光男はもう、べそをかきだしている。

「修太さん、やめなさい。通知票を二人に返すのよ」
腕白小僧そのままの修太の行為に苦笑しながら注意すると、祐子がさっと隣の机に手を伸ばし、修太の通知票を取り上げる。瞬く間に二つに引き裂き、修太に向かって投げ返した。慌てて拾い上げて泣き出す修太を平然と見て、祐子は自分の通知票を取り戻す。遅れて光男がそれにならった。

「祐子さん。何をするんですか。いくら修太さんが悪いからといって、人の通知票を破くなんて許しませんよ」
大きな声で叱るが、祐子は動じる気配もない。
「修太さんの通知票を元通りに貼り合わしなさい」
厳しい声で命ずると、今度は自分の通知票を破り捨てた。
どういうわけか、光男までが真似をして、泣きながら通知票を二つに引き裂く。
「自分の一学期の成果を破るなんて、もう許しません。二人とも机に向かって立ちなさい。お仕置きです」
表情も変えずに立ち上がって机の前で後ろを向く祐子と、啜り泣きながらぐずぐずと立ち上がる光男を横目に、センセイは黒板の端に掛けてある竹の笞を手に取った。長さ一メートルほどのよく撓る細身の笞だ。
「最悪のことをしたのだから、センセイは厳しく罰しますよ。初めに三回ずつお尻を打ちます。今日は裸のお尻にします。二人とも、ズボンとスカートを脱いで、下着を足首まで下ろしなさい」
「センセイ、もう二度としませんから、お尻を裸にするのは許してください」
光男が泣きながら哀願する。尻を剥き出しにするのが恥ずかしいのだ。
「だめです。お仕置きなのよ。早く脱ぎなさい」
光男が渋々ズボンを脱ぎ、祐子が唇を噛みしめてスカートを下ろした。二人ともそのまま、下着姿で立ちすくんでいる。
「修太さん。あなたの通知票が破かれたのだから、二人のパンツを脱がしてしまいなさい」
鼻を啜って立ち上がった修太は、先ず光男の背後に立ち、パンツを一息に足元まで下ろした。光男の啜り泣きが一段と激しくなり、剥き出された小さな尻が震えた。
急に元気づいた修太が祐子の方に向かおうとすると、祐子はパンツの両端を摘んで屈み込み、自分で足首まで下ろしてしまった。
機先を制されてしまった修太は大きく鼻を鳴らして教台に上がり、センセイの横に立って二人を見下ろす。
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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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