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5.友の肌合い(2)

ドアを細く開けて部屋を出ようとしたとき、壁際の大きな毛布の固まりがもっこりと動いた。途端に昨夜の光景が脳裏に甦った。憔悴しきった修太の意識に華やかな官能の火が灯る。見下ろした灰色の毛布の下に、まぶしい裸身が透けて見えるようだ。修太は屈み込んで、悩ましく蠢いている毛布をまくり上げた。毛布の下から二つの裸身が現れる。スプーンを重ねたように横たわったMと弥生の白い裸身がブルッと震えた。突き出された豊かな尻が怒りと寒さに震えている。見覚えのあるMの尻だ。肛門に挿入された金属棒の先が尻の割れ目で銀色に光っている。尻と一緒に震える金属棒が淫らな感情をあおり立てる。たちまち頬が熱くなって逃げ出したくなったが、すでに遅い。修太は疲れ切った頭で言葉を捜した。

「M、便意を我慢して震えているのかい。極月が肛門栓を外さなかったものね。俺が外してやろうか」
取って付けた口調で修太が声を掛けた。毛布をまくり上げたことで引っ込みがつかないでいるのだ。修太の幼さがMにはおかしかった。今までの羞恥も怒りも嘘みたいに消え失せてしまう。Mは余裕を持って首を上げ、修太の顔を見上げた。
「いつになく優しいことを言うわね。肛門栓の代わりに、小さなペニスを埋めてくれるのかしら」
おどけた声を聞いた修太の顔が、瞬く間に真っ赤に染まる。憎悪を込めてMの尻を蹴った。狙い澄ましたように修太の蹴りは尻の割れ目に決まり、したたかに肛門栓を打った。
「ムッー」
くぐもった呻きがMの口を突いた。激痛が肛門から脳へ駆け上がっていく。修太の短小コンプレックスは未だに健在だったのだ。

「縛られた女を虐めるのが修太の趣味だったわね」
眉間に皺を寄せたMが、じっと修太の目を見据えて言った。
「せっかくだから修太の優しさに甘えさせてもらうわ。早く肛門栓を外してちょうだい。ウンチがしたいのよ」
黙ったまま肩を震わせている修太に、Mが追い打ちを掛ける。
「さあ、早くしてよ。今にも漏れそうなのよ」
弥生の肛門栓に繋がれた鎖をいっぱいに張って、Mが修太に尻を突き出す。Mに引かれるまま弥生も尻を持ち上げた。二つの尻が修太を脅迫する。進退窮まった修太が目をそらす。途端に横のドアが大きく開けられた。

「弥生、何のための反省なの。恥を知りなさい」
会議室に入って来た極月が二つの尻を見下ろして、あぜんとした顔で弥生をなじった。極月の叱責を受けた弥生の裸身が小刻みに震える。
「ごめんなさい。修太がMにちょっかいを出すから、私も腹を立ててしまいました」
弥生の言い訳を耳にした極月が怖い顔で修太をにらみ付けた。
「修太、主席のあなたが見張りの交替を忘れ、虜囚を構っているようでは先が知れるわ。反省ものよ」
修太の頬がまた真っ赤に染まった。部屋の奥で聞いているに違いない男たちを意識して威厳をつけた声で抗弁する。

「極月は見張りについていたはずだ。たとえどんなことが起きても持ち場を離れては困る。それに、毎朝三十分間外す決まりの肛門栓も外し忘れた。そもそも発端はMの便意から始まったんだ。反省が必要なのは極月の方だ」
今度は極月が怒りで顔を真っ赤に染めた。

「いいわ。私は持ち場に帰る。二人のことは指導者として修太が処理してください。私のミスまでカバーしてくれてありがとう」
早口に言って、極月はドアを閉めて階下に下りてしまった。相変わらず高く掲げられた二つの尻が修太の目の前に残されている。
「聞いたとおりだ、俺が肛門栓を外す」
疲れ切った声が響いた。我ながらうんざりした声だと修太は思った。組織が崩壊していく音が、耳の底から聞こえてくるような気がした。確かに組織は存亡の淵にある。Mと戯れているときではないことは百も承知だった。だが、掲げられた二つの尻が決断を迫っている。指導者としての力量が問われていた。
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Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

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