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6.山岳アジト(11)

全員の身体が緊張した。極月の裸身がほんのりと赤く染まる。担当の仕事が増えることになりそうだった。
「細部は修太が発表してくれ。僕はオシショウと今後の方針を詰める」
言い残してピアニストが席を立った。オシショウの姿がなかったことに、今更ながら全員が気付いた。山の暮らしは本来、若者のものなのだ。続けて修太がメモを広げ、気難しい表情で口を開く。
「全体の状況はピアニストが説明したとおりだ。明日からの日課と見張りのローテーションは毎日この壁に貼って置くからよく見てくれ。明日の起床は五時。すぐログハウスの掃除に掛かる。この作業でよく身体をほぐしておけ。足元が明るくなりしだい水汲みにいく。自分が一日に使う水を各自で用意するんだ。続いて七時まで運動の時間。外の広場に集合してくれ。七時から九時が朝食と身の回りの片づけ。九時からずっと取水口の復旧作業をする。四時からまた運動と訓練。六時から夜食とミーティング。七時に就寝だ。分かりやすくていいだろう。単調な生活だ。十分心身が鍛えられる。とにかくやってみよう。もうじき七時だ。今夜は夜食抜きで就寝にする。貯水槽の水は今夜中に抜く。水が欲しい者はミネラルウオターを飲め」
疲れ切った声で修太が最後に部屋割りを伝えると、全員が力無く立ち上がった。腹の鳴る音がどこからともなく聞こえる。長い夜になりそうだった。

「弥生とMは極月の指示に従え。着衣は許さないから食堂で寝起きすることになる」
いったんドアを出た修太が面倒くさそうに半身をのぞかせて命じた。温もりが残る部屋に素っ裸の三人が残った。
「正座しなさい」
極月に命じられたMと弥生が再び正座した。二人の目の前にトルコ石のピアスで飾った極月の股間がある。
「私は寒い広間で寝起きさせたかったけど、仕方ないわね。食堂の隅を使いなさい。手錠は許すけど、肛門栓は繋いだままにする。残念ながら二人の寝袋は用意していない。毛布をかぶって抱き合って寝るのよ。さあ立ちなさい。毛布を取りに行くわ」

ランタンを持った極月が奥のドアまで行き、赤々と燃えるストーブを消した。
「勝手にストーブを点けたりしたら懲罰よ。ピアニストの話は覚えているでしょう」
冷たい声で言って極月がドアを開ける。ストーブの消えた部屋に冷気が襲い掛かる。三人の裸身に鳥肌が立った。
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アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
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