2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

7.山の生活(1)

山岳アジトでの奇妙な日課がスタートして一週間が経った。

朝の五時は、まだ真の闇だ。見張りの交替が屋根裏部屋に上っていく足音と同時に、各部屋から一斉にがさごそと物音が響き渡る。素っ裸のまま抱き合って毛布にくるまっていたMと弥生も反射的に目覚める。弥生が勢いよく毛布を剥ぐ。温もりの残る裸身を一瞬のうちに冷気が包んだ。思い切って覚悟を決め、二人一緒に息を合わせたように立ち上がった。二つの尻から延びた細い鎖が寒々とした音をたてる。鎖で繋がれた日々にも、ようやく順応してきていた。寒さに震えながら、鳥肌になった裸身を二人で摩擦し合う。向かい合ってきつく抱き合い、お互いの背に両手を回して背中から尻にかけて力を入れて擦る。徐々に背から尻に浮いた鳥肌が消え、密着した乳房と下腹が擦れ合って上半身が温かくなる。今度は交互にしゃがみ込んで太股から足にかけて擦り合う。十五分ほど続けると二つの裸身がピンク色に染まり、全身がぽかぽかとしてきた。同じ状態になるまでにMの方が五分ほど遅れる。毎朝情けないと思うが年のせいだと諦めざるを得ない。弥生の裸身は滑らかで張りがあり、ほれぼれするほど素晴らしいのだ。かつての私も同じだったと胸を張って自負し、その素晴らしさに今更ながら触れられることを喜びたいとも思う。

全身が温かくなったところで、バケツに汲み置きの水を使って拭き掃除を始める。水は手が凍り付くほど冷たい。雑巾をきつく絞って床に置き、両手を当てて四つんばいになって二人で床に並ぶ。素っ裸の尻を高く掲げ、昔ながらの拭き掃除を始める。二十畳の食堂を五往復もするとMの吐く息が荒くなる。太股の筋肉も硬く張り詰めてくる。だが弥生は休もうともしない。二人の肛門栓が鎖で繋がれているため、Mも弥生に付き合わないわけにいかない。重い尻を無様に振って必死に弥生の後を追った。

「いい準備運動になるわ。全身の筋肉がほぐれていくのが分かるでしょう」
遅れたMをからかうように、弥生が振り返って声を掛けた。Mは息が弾んで答えることができない。もう七日も続けている日課なのに、全身の筋肉は硬く張り切って痛むだけだ。やっとの思いで毎朝広すぎると罵り続ける食堂の床を拭き終わった。ようやく天窓が明るくなり、吐く息が白く見える。休む間もなく水汲みが始まるのだ。玄関からバケツの触れ合う音が聞こえてくる。Mと弥生は連れだって廊下を駆けた。広い玄関でスニーカーを履いていると、右手に竹の笞を持った極月が背後に立った。ヒュッーと笞が空を切る音で身体がすくみ、Mが振り返る。初日に散々打たれた尻が条件反射で震えた。一週間経っても、笞痕はまだ痣になって残っている。鋭い痛みが全身に甦った。

「また一番最後ね。怠けていると、また笞が飛ぶわよ」
黒いトレーナーの上下を着た極月が、しなやかな竹笞を振りかぶって鋭い声で威嚇した。
「ぬくぬくした極月と違って、素っ裸の私たちはウオーミングアップに時間が掛かるのよ」
Mの代わりに答えた弥生の尻に、軽く笞が飛んだ。

「急げ。日が暮れてしまうわ」
極月の怒声に追われてドアを開け、裏庭に出る。身体の芯まで凍り付かせる冷気が素肌を責める。ぼんやりとした明るさの中で文月が差し出す二つのバケツを左右の手で握る。大きなバケツを二つずつぶら下げ、Mと弥生は松林に向かって駆けた。薄明の林に大振りの裸身が二つ分け入っていく。豊かな尻と、高く引き締まった尻が筋肉を躍動させて走る様は異様な美しさを感じさせる。二人の吐く息が真っ白になって後方に流れ去った。松林の先は鬱蒼とした山林に獣道が続く。激しい勾配を休みなく走る。弥生がスピードを合わせてくれるが、Mはすぐにでも座り込んでしまいたくなる。肛門栓を繋いだ鎖が枝に引っかからないように、弥生が後になって細心の注意を払う。
プロフィール

アカマル

Author:アカマル
http://prima-m.com/
官能のプリマ全10章
上記サイトにて公開中。

最新記事
カレンダー
07 | 2011/08 | 09
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
free area
人気ブログランキングへ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR